今回の当て字
蚯蚓・・・ミミズ
太宰「んッ…あ、れ…?」
少しぐらつく視界に真っ白な世界
僕、死んだのかな
そう思ったのもつかの間、目が慣れてきて、その真っ白な世界が洗面所の電球であることに気づく
僕は重い躰を持ち上げ、辺りを見渡す
無造作に転がっているカッター、僕を囲うように出来てる血溜まり
あぁ…そうだ、僕昨日、切っちゃったんだ
腕からの出血は止まっていた
出血多量で死ねたらどれだけ幸せだったことか
太宰「また…死ねなかったな」
乱雑に手当して、血溜まりとかも一応片付けた
出血多量で死なない程度の出血だったが、貧血になるには十分すぎる出血量だったのだろうか
目眩が止まらない
正直立ってるのでやっとだ
このまま仕事を休んでしまおうか…
けど中也と仕事はしたいな
太宰「中也…?」
あれ、中也生きてるよね…?
うん、死んでない、よ
あれでも、昨日会ってないな…
生きてる、生きてるよ…
そんな不安を抱えながら、事前に森さんに言われていた任務場所に僕は駆け足で向かった
中也「チッ…あいつおっせぇな…」
中也「何分待たせるんだよ」
太宰が全然来ねぇ
いつもの事だが、電話にも出ねぇ
本当、苛つく野郎だ
中也「あいつが来たらどついてやる」
そんなことを呟いてたら太宰がやってきた
太宰「中也…、ちゅうやだよね…?」
昔、太宰を初めて見て思ったことが1つある
まるであの世に行きそびれた死人、幽霊のようだと
しかし、普通の幽霊とは違う子供の幽霊だ
無邪気な子供の幽霊じゃない、幼いながら何かを突きつけられたような子供の幽霊のようだった
全てを諦めたような、いち早く人生に終止符をつけようとしているようだった
けど、今は子供の幽霊じゃなく、子供だ
ただの子供なんだ
昔から、頭脳は以上に発達していた
けど、なにか、重要なところが発達してないように見えた
今、俺の目に映る太宰は子供のようだ
いや、詳しく言えば、なにか恐ろしいものに追われているように酷く怯えた子供
明らかに様子がおかしかった
いつもより濃いクマ、酷く歪ませた表情
何時もはシカトしていた
でも、今こいつを放っておいたら、暗い闇の底に沈んで二度と帰ってこないんじゃないかと、そう思った
太宰「ねぇ、中也…ちゅうや」
太宰は俺の胸に耳を当てた
心臓の辺りだ
中也「うぉっ、なんだよ」
太宰は答えない
ただひたすらじっと俺の胸に耳を当てていた
太宰「ぃ….な、ぃ…ご…ん…. ボソッ」
何がボソボソと言っている
何を言っているかは分からなかった
なんで太宰がこんな行動に出るのかが分からなかった
分からないが、俺には押し退けるなんて行動不思議と頭に思い浮かばなかった
トクンッ
トクンッ
トクンッ
太宰「生きてる…」
しばらく耳を当てていた太宰が急にはっきりした声で行ったと思ったら
急に太宰の体勢が崩れた
俺は反射的に太宰の躰を支えた
足の力が抜けたのだろうか、全体重が俺に掛かっている
俺は太宰の顔を覗き込んだ
太宰の顔はもう酷く真っ青だった
躰は血の気が引いているのか冷たい
呼吸も少しおかしい
中也「太宰、大丈夫か?」
中也「体調悪いのか?」
太宰は答えない、何を考えているのか俺には分からない
こいつのことを正直分かる気がしなかった
いや、分かろうとしていないのかもしれない
こいつの腹の中を知るのが怖いだけなのかもしれない
中也、生きてた
生きてた、心臓動いてた
それなのに何故だろう
震えが止まらない
躰から血の気が引いてしょうがない
脚に力がはいらない
その時、急に中也の声が聞こえた
中也「太宰、!聞いてんのか」
中也「聞こえてんなら返事しろ」
太宰「ちゅ、や…」
中也「大丈夫か?体調悪いのか?」
心配、してくれてるのかな
優しいな、中也は
そんな君が大好きだよ
でもね、君に弱みなんて巫山戯たものを見せたくないんだ
君の前では、頭が良くて、笑顔が上手な道化でいたいんだ
そうすれば、君は離れていかないだろう?
離れて欲しくないんだ
太宰「ふふ、はは 笑」
太宰「騙されてるのー? 笑」
太宰「こんなの演技だよ、演技 笑」
震える躰を無理やり抑えて、ポーカーフェイスをして、ニコニコ笑いながら言う
上手く笑えてるだろうか
中也「…手前…!」
中也「心配かけんじゃねぇ!!!」
良かった、騙せたようだ
ごめんね、中也
自己中心的でごめんね
演じてないと、笑っていないと崩れてしまいそうなんだ
僕の心が、この日常が、君との仲が
無くなってしまうのが怖いんだ
でも、君だけは許して
この人生という舞台で自分自身すら騙す僕を許して
道化を演じ続ける僕を許して
生きてる僕を許して…?
四方八方から聞こえる鈍い銃声
何回この音を聞いただろうか
もう、慣れてしまった
でも、今日はその銃声が頭に響く
頭痛が止まらない
痛い、苦しい、いやだ
早くこんな状況から抜け出したい
太宰「…」
敵「た、助けてくれ….!!」
蚯蚓のように逃げ回る今回の標的
標的に鉛玉を背中に打ち込む
敵「アガッ!?」
標的が血反吐を吐きながら倒れた
僕が近寄っていくと、酷く震え、怪物でも見るかのように見てくる
こういう目を向けてくるやつは遊んだら楽しい
でも、今日は体調が優れない
目が回ってしょうがない
早くこんな場所から帰りたい
早く終わらせたい
僕はそいつの額に容赦なく鉛玉を打ち込んだ
任務が終わり、首領室に報告に来た
その時にはもう頭痛も目眩もかなり酷くなっており、もう限界だった
中也「報告は以上です」
森「成程ね、報告ありがとう、ゆっくり休んでくれ」
僕は森さんに気向きもせず早足で首領室の出口に向かう
森「あっ、太宰くん」
森さんの問いかけにも応じず、僕は首領室を後にした
森「…行っちゃったね」
中也「…」
森「中也くんももう休みなさい、明日も早いんだから」
中也「…了解致しました」
俺も首領室を後にした
長い長い廊下、俺はそこを歩いていた
廊下はもう闇そのもので空気が凍てつくように冷たかった
外ももう闇に包まれていて、申し訳なさ程度に光がチラホラ見える
中也「…」
太宰のあの顔が脳裏から離れない
あいつは俺に何を隠してんだ
あんなに苦しそうな顔してまで、笑顔になる必要はねぇだろ
なんで俺を頼らない
俺はそんなに頼りないか?
…でも、俺も俺だ
あいつが苦しそうにしているなら止めればいい
休ませればいい
なのにそうしなかった
あいつの腕を引き止めてまで止めれば彼奴でも止まる
止まらなかったら俺の方が力は強い、強制的に休ませればいい
けど、そうしなかったんだ
出来なかったんだ
自分を守りたいが故に、自分が可愛いが故に俺は、彼奴を助けられなかったんだ
わぁあああああ!
難しいねぇ🫠
一生迷える
かなりムズい
語彙力がないからさらにムズい
太宰と中也がどっちも葛藤してるのっていいよねぇええええ!
話すこともないなぁ…🙂
ハート指定は一応しとくね
♡ 200
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝
ちょっと難しいから多めよ🙂
読めない漢字がありましたらご質問下さい👍🏻
じゃあ、バイ乙ー!
コメント
16件
病み最高病み最高病み最高病み最高病み最高病み最高病み最高病み最高病み最高病み最高病み最高病み最高病み最高病み最高病み最高病み最高病み最高病み最高病み最高 (こいつはただ頭がおかしいだけです)
太宰さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!休んでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! 窒素さんの文章力が神過ぎて語彙力無くなりそおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!