やっと、二人きりの時間が取れる。
ずっと忙しくて、会えても仕事ばかりで、肌を重ねることなんてほとんどなかった。久しぶりにゆっくりできるこの夜を、どれだけ待ち望んでいたか。
だからこそ——
「……マジか」
浴室から出てきた俺が見たのは、ベッドの上で深く眠る岩本くんの姿だった。
髪はまだ少し湿っていて、枕に当たった部分がほんのり跳ねている。
すぅすぅと静かな寝息を立てて、心なしか表情も柔らかい。
いつも仕事中はキリッとした顔をしているから、こうやって無防備な寝顔を見ると、少し安心する。
だけど——
(今日、できると思ってたのに)
心の奥底から込み上げる、じれったさと欲求不満。
ずっと我慢してた。
お互いのスケジュールが合わず、触れ合うことすらできなくて、気づけば肌が恋しくなるばかりだった。
今日はようやく二人きりになれて、時間を気にせず触れ合えると思っていたのに。
……とはいえ、無理に起こすのも可哀想で。
岩本くんがどれだけ疲れていたかなんて、近くで見ていた自分が一番分かっている。
「……はぁ」
熱がこもった身体を持て余しながら、隣にそっと横になる。
ほんの少し距離を詰めて、そっと指先を重ねると、岩本くんの手が無意識に応えるように握り返してくれた。
(やば……)
まるで、寝ていても俺を求めてくれているみたいで。
たったそれだけのことで、身体の奥底から疼きがこみ上げる。繋いだ手の温もりを感じるだけで、欲が抑えられなくなりそうだった。
(一人でやってもいいよね……)
意を決して、片手で恋人繋ぎのまま、もう片方の手を下へと滑らせる。
ゆっくりと、自分自身に触れた瞬間、繋いだ手に力がこもった。
「……っ」
自分で扱くたびに、繋がった岩本くんの指先が熱を帯びていくような錯覚に陥る。
目の前の岩本くんは眠ったままだというのに、まるで見られているような気がして、余計に興奮してしまう。
「……岩本、くん……」
聞こえないような声で、そっと名前を呼んだ。
応えるように、握り合った指がぴくりと動く。その仕草に、さらに熱が高まる。
「……っ、ん……」
岩本くんの手の甲に、そっと唇を押し当てる。
啄ばむように、何度も。
キスをするたび、気持ちが昂っていく。
(……やばい、もう無理)
心の中で呟いた瞬間、溢れる熱が手の中に広がった。
「……っ、はぁ……っ」
荒い息を整えながら、ぼんやりと視線を岩本くんへと向ける。
安らかに眠る岩本くんは、何も知らないまま。
「……岩本くん、好き……」
こっそりと囁いて、絡めた指をそっと握り直す。
次は、ちゃんと起きてる時に…なんて考えながら、心地よい余韻に包まれてそっと瞳を閉じた。
コメント
2件
えっろ!最高😆