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番外編18『主様が誘拐されてしまった!?』
After story
朝起きたら、執事たちがいなくなっていた。
食堂にひとつの置き手紙を置いて。
『悪魔執事は誘拐させてもらった。
返して欲しければ悪魔執事の主、お前一人でグロバナー家に来い。1時間以内に来なければ悪魔執事達は無事じゃないと思え。』
『……み、みんなが、誘拐……!?』
私は急いで支度をして馬をかける。
『ムーまで攫うなんて……絶対許さない。私の執事達を攫うなんて……。犯人を捕まえたら絶対…。██████████……』←(ここでは言えないこと)『(社会的制裁)(抹殺)(実力行使)』
その様子を誰かが見ていた。
『流石悪魔執事の主。早いな。』
『あの、フィンレイ様。どうして主様を試すようなことを?』
『いやぁね、悪魔執事の主がいかに君達を大切にしているか気になってね。』
『はぁ…。それにそれはなんですか?』
『東の大地に行った時に貰い受けたものだ。なんでも、かんしかめらといってりあるたいむの映像を遠隔で見れるらしい。』
『もうこの夢小説なんでもありになったな。』
『いわゆる、どっきりというやつだ。』
『かめらを屋敷の食堂と外に設置して、このてれびで様子を見れるのだ。さて、悪魔執事の主はここにたどり着けるかどうか…。』
『…ムーを膝で撫でながら言われても…。』
『ゴロゴロゴロ…♡』
一方その頃。
『はぁ、はぁ…。疲れた……。馬に乗るなんて慣れてないから。』
私はグロバナー家の門に着いた。
『何者だ!』
『あ、悪魔執事の主です!通してください、グロバナー家に用事があるんです!』
『さぁ、第1関門。憲兵をいかに説得して、悪魔執事の主がここに来れるか。ここに来るまでに沢山の指令を用意した。その中の1つ目だ。さぁ、悪魔執事のあるじ、君は乗り越えられるかな?』
『ここに私の執事達がいるんです!』
『ダメだ。いくら悪魔執事のお前でも通す訳には行かない。フィンレイ様の許可がない限りはな。』
『そんな…。』
(強行突破したら、みんなの立場が危うくなって、今よりもっと評判が悪くなるかもしれない。どうしよう。)
『悩んでいるな。これも今もにたりんぐ中だ。憲兵にかめらを持たせている。』
『楽しそうですね、フィンレイ様。』
『君たちがどれだけ愛されているかのてすとだ。』
『……。お願いします。』
私は頭を下げる。
『私の大切な執事がグロバナー家の方に誘拐されたかもしれないんです。この置き手紙があったんです。』
『『……。』』
(フィンレイ様の字だな。)
(執事のためにここまでやるとは…。)
『…悪魔執事の主。通って良い。』
『!ありがとうございます!』
『第1関門。勇気が試される問題だったが、合格だな。』
『残り40分…でも、この広いグロバナー家のどこに隠れて…っ。』
『あの、すみません。』
『!』
後ろから突然声をかけられる。
『貴方は確か悪魔執事の主様ですよね?』
『え、えぇ。』
(身なりからして、貴族かな?)
『あの、会ったばかりで恐縮なのですが、今あちらのホールで演奏会を開くんですけど、ピアノを弾く伴奏者が風邪を引いてしまいまして…。』
『わ、私に演奏しろと…?』
『はい…。』
『で、でも私急いでて…。』
『フィンレイ様に悪魔執事の主様は多才な方と伺っております。』
『っ…。』
(フィンレイ様…過大評価し過ぎだよ…。)
『第2関門は親切さをとう問題だ。時間が少ない中彼女はどう切り抜けるかな。』
『……フィンレイ様。私たちの主様はお優しい方です。それに…。彼女を甘く見てはいけませんよ。』
『ふっ。それは楽しみだ。』
『…分かりました。私が変わりに伴奏者を努めます。』
『ありがとうございます!ではこちらのドレスに急いで着替えてください!』
私はドレスを受け取り、会場に向かう。
『ピアノに立ってるのは…悪魔執事の主か?』
『守られているだけの主が楽器など弾けるのか?』
『……。』
(これが楽譜か。…よし。覚えた。)
私はピアノの鍵盤に指を添えて音を奏でる。
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『ほぉ…。美しいな…。』
『主様はピアノの経験者です。今はプロのピアノ奏者としてあちらの世界では有名人なんですよ。』
『ピアノを弾くくらいわけないのです。』
『第2関門は合格か…でも残り時間も少ない。彼女が遅れた場合。容赦なく君達には罰を下す。』
『っ……。』
『あれ、これどっきりじゃなかった?』
※急に深刻になるやん
『はぁ、はぁ。インタビューされたり着替えに手間取ったりで残り10分しかないよ…早くみんなのところに行かないとなのに…。』
(いつものフィンレイ様の部屋にはいなかったし…まさか……。地下牢に閉じ込められてるんじゃ…。)
『地下牢と言うよりは…普通の部屋だな。 』
『そうっすね。部屋の中に牢屋が設置されて閉じ込められているっすけど。』
『武器は持ってきてないからこじ開けられないし。』
『こじ開けるつもりだったのかよ、フェネス。』
『さぁ、最後の関門だ。』
(楽しそうだなぁ本当に。)
『あと行ってないところは……。』
グイッ。
『えっ?』
服の裾を掴まれる。
『お姉ちゃん……。』
『え、こ、子供?なんでここに……もしかして迷子かな?』
『うん…。はぐれちゃったの。』
『お母さんと来たの?それともお父さん?』
『(( ˘꒳˘ 三 ˘꒳˘ ))』
首を横に振る。
『えっと…。なにか特徴とか覚えてないかな?』
『えっとね、んとね…。黒い服を着てた。』
『黒い服か…。』
(…この子供の親を探していたら時間が経ってしまう。1時間以内に行かないとみんなが…っ。でも…っ。)
『さぁ、どうする。悪魔執事の主。迷子の子を構っていたら1時間経ってしまう。どっちをとる?悪魔執事か。子供か。』
『……。』
『フィンレイ様。我々の主様はお優しい方です。先程も言いましたが…我々の主様を甘く見るといけませんよ。』
『随分強気なんだな。』
『…ボク、名前は?』
私はしゃがみ込む。
『ライト…。』
『ライト君か…よし、お姉ちゃんと一緒に探そっか。』
『でも、お姉ちゃん急いでたんじゃ…』
『目の前に可愛い子供が困ってるのに見捨てるなんでできないよ。肩車してあげるからお姉ちゃんに黒い服の人がいたら教えてくれる?』
『うん!』
『へぇ…。驚いた。』
『主様は私達にはもちろん優しいですが目の前に困ってる方がいたら見捨てない方です。そして、残り数分でも必ず間に合うように来てくださいます。』
『そうか…。私は甘く見ていたな。悪魔執事の主のことを。』
私は檻から彼らを出す。
『さて。時間だ。君たちには罰を下す。』
『っ……。』
数分後。
『あ、あの部屋から甘い匂いがするー!』
『えっ?』
『ボクお腹すいた!お姉ちゃん下ろして〜』
『わっ!待って、勝手に入ったら怒られちゃう…。』
ライト君は走ってその部屋の扉を開ける。
ガチャ…。
パンッ!パンッ!
『えっ?』
クラッカーが鳴らされる。
『おめでとう。悪魔執事の主。』
『フィンレイ…様?』
『フィンレイおじたま〜!』
『え?』
『よくここがわかったね。ライト。この子は私の甥っ子だ。』
『黒い服の人…って、フィンレイ様の事だったの…?いや待ってください!突っ込みたいことが沢山あります!みんなは…私の執事はどこですか?』
『君たちの執事なら隣で……。』
『え?』
『主様…すみません。主様の前でこんな…』
『もうお腹がいっぱいですぅ。』
みんなは沢山のスイーツを食べていた。
『……え。なんでみんな…』
『これはどっきりというやつだ。君の行動は随一確認させてもらった。君の執事に対する思いを図りたくてね。でもこのてすとは合格だよ。でも時間内に来なかったから彼らには甘いものを沢山食べるという罰を与えている。貴族のパーティに出ると沢山貰うんだが食べきれないんだ。』
『…。』
『主様……。良ければ一緒に…』
『…っ。』
(あ、主様怒ってる…?いくらフィンレイ様とはいえこんな…。)
『よかった…っ。私はほんとにみんなが危険な目に合ってると思って…。』
私は安心して腰を抜かす。
『無事でよかった……。』
『主様……。』
『騙すような真似をしてすまなかった。沢山スイーツがあるから好きなだけ食べるといい。』
『はい…っ。頂きます…!』
私は嬉し泣きしながらスイーツを沢山食べましたとさ。
『主様、見てください!猫さん用のスイーツも用意されてたんです!』
(前々から計画してたみたいな用意周到振り…。)
フィンレイ様を見るとニヤリと笑っていた。
(敵に回したくない人…本当に。)
めでたしめでたし……。
コメント
2件
最初焦ったけど終わりがほっこりしました