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(そうだ、あの歌丸の落語に出て来た『お駒さん(※落語「城木屋」より)』が現実にいたら、このような美人に違いない。)
そう思った健志は、そのまま向こうの椅子に座って、涼しげな顔で何やら文庫本を読んでいる、その美人に、それとなく目をやった。
薄いピンク色のブラウスに、白いタイトスカートをはいたその美人は、長い茶色の髪を腰まで垂らして、脚を組んでいた。
健志は相手に気付かれないように、僅かに横目でちらちらと見た。
真っ白なきめ細かい肌に、大きな瞳、長い睫毛、ほっそりとした鼻筋、小さな唇、まるで人形のような美しい顔立ち。
美人の読んでいる本は、辻仁成の「サヨナライツカ」であった。
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