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「…………っひゅ、でぃ、でぃ……」「は!? なにしてんの!?」
自分でも驚くくらい、掠れた声が出た。会いたくなかった、のに、なんで、こんなところ、見られたくなかった、のに。
きもちわるくて、息が苦しくて、どうしていいかわからなくて、誰かに助けて欲しいのに、誰にも気づかれたくなかった。逃げたくても逃げ出せなくて、いっそこの場から消えてしまいたかった。
「……っおい、うみにゃ!!」
DDの顔を見ていたら、矛盾する思考に頭の中がぐちゃぐちゃになって、ぺたりと膝から力が抜ける。酷く焦った表情のDDに脇を支えられて、それでも結局立っていることも出来ないでいたら、アスファルトにしゃがませてくれた。DDの手も、同じくらい震えていた。
「…………ごめ、……だい、じょ、ぶ…………っ、」
「全然大丈夫じゃねぇから。……落ち着け。大丈夫だから」
どっちだよ、そうやって笑ってしまえたら良かった。落ち着いて、大丈夫、自分自身にも言い聞かせているように繰り返しながら、ぎこちなく背中を撫でてくれるDDの手つきが優しくて、涙が出そうだ。それと同時に、歳下の子になにさせてるんだろう、って罪悪感も募る。だめだなあ、俺。
酸欠でぼんやりしてきた頭の中に、いつかの記憶が蘇る。DDは負けず嫌いだから、悔しくて泣いてしまう、なんてことがたまにあって。泣いてないし、と言いながらそっぽを向いてしまうのを、慰めてやったっけ。そう言う子供っぽいところがかわいくて、愛おしくて。あー俺、ほんとだめな大人だなぁ。