「うみにゃ、過呼吸っぽくなってるから。苦しいでしょ。息、はーってしてみて。わかる?」
わかってたらこんなことになってない。もう、いっそ気絶でもしてしまいたい。でも、DDの真剣な顔を見ていたら、そんなこと言えるはずもなかった。
「…………っはひゅ、ふ、……んぐ、はっ、」
「吸いすぎ吸いすぎ。ほら、力抜ける? もっと俺にもたれていいから。えっと……俺が手握ったら吸って、離したら吐いて。一緒にやってみよ」
冷えすぎて感覚の薄い手を握られて、反射でびくりと肩が跳ねた。DDの手の熱さに眩暈がする。DDの手が熱いんじゃなくて、俺の手が冷たすぎるんだと、頭では理解しているんだけど。
「吸って、吐いて…………吸って、吐いて…………こら、余計なこと考えない。大丈夫だから」
「……ぜ、ひゅ、……っは、はふ、だっ、でき、な…………っ」
吸うって、どっち。吸っている自覚もないのに、吸いすぎだとか、息吐けだとか、わかるわけがない。助けて。そもそも、DDがこんなところにいるから。何にも考えられない。
「大丈夫、うみにゃ、俺の顔見て。大丈夫、すぐ楽になるから。俺と一緒に息して」
握られたままの手を、DDの胸に押し付けられた。どくん、どくん、平生よりもほんの少し速いDDの心臓の音が、頭の中でやたらと反響して聞こえた。
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