裏アカウントとは…主にTwitter(ツイッター)やInstagram(インスタグラム)などのSNSにおいてメインとなるアカウントと対比させて用いられるネットスラング(表現)のこと。
「…へぇ」
暗い部屋の中、私、鈴木 凛は1人でスマホを触っていた。
裏アカウントの存在は知っていた。だが、詳しい意味が分からなかった。
「裏アカウント、やってみよっかなぁ…」
「なぁんてねー、やる訳ないもん…」
そう独り言を言いながら、いつも使っているTwitterのアカウントとは別のアカウントを作り始めた。
「名前…名前かー、ま、適当に真面目ちゃんでいいや、なんか裏垢っぽいし…」
「って、私結局裏垢作ってんじゃん、何やってんだろ…w」
そして、出来たアカウントを眺める。真っ黒なアイコンに、名前は「真面目ちゃん」。裏垢っぽいアカウントができた。
「姉ちゃん、ご飯作って?腹減った」
「はいはい、今行くから」
1階から聞こえてきたのは、中学2年生の翔太の声だ。中学2年にもなったというのに、カレーですら作れない。
「全く、家庭科で何を習ったんだか……」
翔太に聞こえないように小さな声で文句を言いながら、1階へ降りる。
「お母さん、まだ帰ってきてないの?」
「うん。相変わらず連絡も取れない」
「はぁ…お父さんはまだ仕事だしなぁ…今日も2人で食べよっか」
「……うん」
私がご飯を作ってる間、翔太は何もせず椅子に座っていた。私は無言が続いて気まずくなるのが苦手なので、無理に話題を作ろうとする。
「翔太、学校楽しい?」
「…………」
「ちょっと、無視しないでよ!お母さんが帰ってこなくて悲しいのは分かるけど…」
「いい加減気づけよ!」
翔太が、私の話を遮る。
「え?どういうこと……?」
「だから、俺らは捨てられたんだって!母さんに!俺も、姉ちゃんも、父さんも!皆捨てられたんだよ!」
「翔太、落ち着いて!」
「もういい!俺、今日はご飯食べねぇから!」
翔太はそう言い捨てると、ドスドス音を鳴らしながら階段を登っていった。
私は、そんな翔太を見つめることしか出来なかった。
そして、しばらくして、私はスマホを取り出し、さっき作った裏アカウントを見た。
「翔太、私、もう気づいてるよ。だから、裏アカウントなんて作ってるんじゃん」
そう、呟いた。そして、自分の袖をめくる。
そこには、殴られた傷。高校でできた傷だ。
そう、私は__
お母さんが逃げたことがきっかけで、高校で虐められている。
〈アトガキ〉
更新遅れてすみません!作者のえふです!
いやー、前々から書いてたんですけどね、毎回下書き保存するの忘れて最初からになってました()さて、この裏アカウントとわたあめ病というシリーズは、2話ごとに主人公が変わっていきます!なので、次の話が終わったら別のキャラが主人公になります!
伝わってるかな?今は鈴木凛ちゃんが主人公です!展開早くて分かりずらいかも?
とにかく!次の話もお楽しみにー!
コメント
2件
普通に面白くて草