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『鶴蝶!!!!??』
列車のドアを勢いよく開けた。
ここまで必死になったのは初めてだ。
『鶴蝶…』
鶴蝶には大きな切り傷があった。
致命傷だ。
『……ッ』
一筋の涙が頬を通る。
やっぱり神ってヤツは残酷な野郎だ。
どうして…連れてっちまうんだ…?
こいつ…まだ17だぜ…?ガキじゃん…。
カラン…
そこには、聞き慣れたピアスの音がした。
『大…将?』
『……!』
鶴蝶の顔を見ると、安心したような、
幸せそうな、嬉しそうな。そんな顔をしていた。
『…そっか…』
『オマエには…いつも大将が一緒だもんな…ッ』
俺は鶴蝶を抱きしめる。
そんな泣くなよ、蘭
『…ありがとう…大将、鶴蝶』
『兄ちゃん!!』
後から来た竜胆が呼ぶ。
『ッッ!鶴蝶…?』
『……傷、多分三途だよ』
『うん』
『どうすんの?』
竜胆のどうすんの?は、
復讐するかしないかだ。
『……いい。
コイツには大将が一緒だからさ。
多分、俺らが復讐なんてしなくても、
ムーチョか大将が毎晩枕元に出てくるって!』
俺はそう言った。
『…そうだね』
納得したように竜胆が微笑む。
『さ、行こ。』
俺は差し伸べられた手を掴む。
『ありがと、大将。そっちでよろしくな~』
カラン…
まるで、返事をしたようにまたあの音がした。
俺はニコッと微笑んだ後、列車の外を出る。
さようなら、俺らの光────。