テラーノベル
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涼香は会議室を出ると、すぐにトイレに駆け込み、冷静になろうと顔を洗った。タイムリープは現実だ。
そして、脳裏にはっきりと蘇るのは、3ヶ月後の今日起こるはずの「不正データ流出事件」の詳細だ。黒崎は涼香をスケープゴートにするため、涼香のPCから機密データが流出したように見せかけるものだった。
(黒崎の計画は完璧だと思われていた。しかし、私には知っている。流出経路、捏造された証拠、そして彼が誰を動かしたのかも)
涼香はまず、自分の部署のセキュリティーシステムをチェック。前回、黒崎の罠に利用された、外部ネットワークの脆弱性を突き止めると、誰にも悟られないよう、ログを一切残さない解析を開始した。復讐に必要なのは感情ではなく、緻密な頭脳と行動力だ。
コメント
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主です。次回もお楽しみに!