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トリコの手足を治療しよう
ロボが慌てて屋敷に様子を見に行くと、一度治療して治ったはずの腕と新たに片脚がちぎれていた。
執事達によると、こちらの世界でもさっき地震が起こっていて、その揺れでちぎれてしまったらしい。
[また・・・トリコちゃんの体が崩れてしまったんですね・・・
今回は腕だけじゃなくて脚も・・・
前に腕がちぎれた症状と同じに見えますね
私は念の為にトリコちゃんの症状を分析します
執事さん達はトリコちゃんを安静な姿勢にしてあげてください!]
ファクトリーAIの指示に従って、執事たちは治療室にトリコと手足を運び、ベッドに寝かせた。
[ロボットさん、わかりました!
やはり以前に腕がちぎれたのと同じ症状のようです
はい、そうなんです、今回も原因らしい原因が見当たりません・・・
体力も、汚染度も標準値なのです
ウイルスや寄生虫なども検出できませんし・・・
うううううん・・・・・・]
〈ぴょんぴょん〉
ロボは考え込むファクトリーAIに治療を優先するように言った。
[あっ、そうですね
今は治療を優先しましょう!
以前治療した病気なので治療用のアイテムのレシピは既に持っていますね
あとはこのレシピをクラフトできる素材がこの近くにあるかどうかですが・・・
・・・・・・
ありました!
素材の場所をロボットさんのメモリに送信しておきますね
あと、参考資料としてお屋敷のオセワッチにもデータを送信しておきます
それでは、治療アイテムの素材集めをお願いします!]
ロボはすぐにテラリウムに戻り、執事たちは自分たちの実力で行ける層に素材があるか確認した。
「・・・それじゃあ、ハウレス君、フェネス君、バスティン君、ナック君で行ってきてくれるかな?」
ルカスは敵との相性なども確認してその4人を行かせることにした。
ロボと分担したことですぐに素材が集まり、ロボが薬を持ってきた。
[準備ができたみたいですね
それではさっそく治療を始めましょう!
まずはちぎれた腕と脚の切断面に増進剤を注入してください
つぎはトリコちゃんの方の切断面にも増進剤を注射してください]
ルカスは慎重に薬を注射した。
切断面からは赤いつぶつぶが出てきた。
[トリコちゃんの方にも・・・
赤いつぶつぶが出てますかね?
それではちぎれた腕と脚をトリコちゃん側の断面にくっつけてください]
ミヤジが腕を、ルカスが脚を持ってトリコにくっつける。
[・・・大丈夫ですか?位置は合ってますかね?
このまま寝かせておけばいずれくっつくはずです]
ルカスはまた包帯で手足を固定し、安静にしておくようにトリコに言い聞かせた。
ミヤジは心配そうにトリコの頭を撫で続けている。
しばらくして、手足の包帯を取って傷跡が殆ど目立たなくなったので引っ張ってみることにした。
ルカスは慎重に手足を引っ張って、ちぎれないことを確認した。
[どうやら無事にくっついたみたいですね
うう、良かったです・・・
それにしても何の前触れもなく腕や脚がちぎれるなんて・・・]
ファクトリーAIは不可解な症状に色々な情報を探してみたらしい。
ロボに重々しく話し始めた。
[ロボットさんはトリコちゃんがどこから来たのか、考えたことはありますか?]
〈?〉
[もしかしたらトリコちゃんは・・・
ふつうの女の子じゃないのかもしれません
・・・あれ?あまり驚いていないようですね]
ロボは今までどんな病気になってもなんとか助かってきたトリコの生き様と、頭や目から生えているキノコで、ふつうの人間でないことは分かっていたらしい。
[「目からキノコが生えてるし、どんな奇病になっても治療さえすれば元通り治るのはおかしいと思っていた」
・・・ですか
・・・ま、まあそうですよね!
わ、わたしもずっとおかしいと思っていたんですよ!]
ファクトリーAIは白々しく誤魔化している。
[なななな、なんですか!その疑いのまなざしは!
と、とにかくですね、トリコちゃんの過去にはわたしたちの知らない秘密があると思うのです
トリコちゃんの過去を調べることができれば・・・
トリコちゃんの謎の症状のこともなにか分かるかもしれません!]
〈・・・?〉
[「それはいいけど、どうやってトリコちゃんの過去を調べるつもりか」
・・・ですか、いいところを突いてきますね
そこでわたしにひとつ、アイデアがあるのです!
さっきもちょっと言いかけたのですが・・・
メモリーシャードを利用すれば過去のことを調べられるんじゃないかと思うんです
メモリーシャードは、滅亡する前の人間達に関するとてつもなく膨大な記録です
なので、その中にはきっとトリコちゃんに関する記録も存在するはずです]
〈!〉
[はい!各地に点在するメモリーシャードを調査してトリコちゃんに関する情報を見つける・・・
これが我々の次の目標です!]
〈ぴょんぴょん〉
[ロボットさんも賛成のようで嬉しいです!
それではさっそくメモリーシャードを探しに・・・といきたいところなのですが、その前にロボットさんにお願いがあります]
〈?〉
[メモリーシャードの調査に役立つ装置のアイデアがあるので、先にこの装置を作りたいのです
なので、そのための素材を取ってきていただけませんか?
はい、その素材は野良ロボのボディです]
〈!〉
[倒して機能停止させたあとの野良ロボのボディを持ち帰ってきてください
部品を流用したいのでなるべく状態の良い野良ロボだとうれしいです!]
〈頷く〉
[周辺をスキャンしてノイズ反応があった場所をロボットさんのメモリに送っておきますそこへ行けば野良ロボに遭遇できるはずです!
それではロボットさん、よろしくお願いします!]
ロボは早速廃墟に向かい、壊さないように気をつけながら野良ロボを攻撃するのだった・・・。