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しの
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ーyaーーーー
雨が降っていた。
窓を叩く音だけが響く薄暗い部屋。
カーテンは閉め切られ、昼なのか夜なのかも分からない。
ベッドの上で膝を抱えたまま、yaはぼんやり天井を見ていた。
充電が少ししかないスマホには大量の通知があった。
クラスのグループ。
知らないアカウント。
悪口。
盗撮。
笑い声。
もう見慣れたものだった。
最初は傷ついていた。
沢山泣いていた。目が腫れるほど泣いていた。
でも今は、何も感じない。
———いや、 違う。
壊れすぎて、感じ方が分からなくなったんだ。
「……気持ちわる」
誰に向けた言葉かも分からない。
相手か、
世界か。
自分なのか。
それとも、、、
ーーーピンポーン。
インターホンが鳴る。
yaの肩がびくりと揺れた。
数秒後。
『yaくん、開けてください』
聞き慣れた声。
noさんだった。
yaはゆっくり立ち上がる。
鍵を開けると、制服姿のnoさんが立っていた。
「……また学校サボりましたね」
怒っているような声。
けれど目は優しい。
それが嫌だった。
そんな目で見ないでほしい。
「別に、行く意味ないし」
「ありますよ」
「ない」
即答。
noさんは少し黙ってから、静かに俺の部屋へ足を踏み入れた。
ーnoーーーー
yaくんと出会ったのは、9ヶ月前。
このアパートにある僕の部屋の隣にyaくん1人で引越しに来た時だった。
最初はたまたま同じ高校に通っている、ごく普通の可愛げのある男子高校生だと思い 、通学を共にしている仲だった。
だが、梅雨があけた頃だっただろうか。
yaくんが部屋から出てこなくなった。
僕はだんだん不思議に思い、手土産にお花と桃のタルトを手にとって部屋を伺った。
ーーーその出来事あたりだろうか。僕がyaくんとパートナーになったのは。
扉の先には、体操座りをして小さく縮こまっていたyaくんの姿があった。そんなyaくんの状態はかなり酷かった。食事もまともにとっていない状態で、今にも消えてしましそうだった。
後からわかったことだが、yaくんには親がいない。正確に言うとサブだからと言う差別的判断で捨てられた。
そのため、幼い頃からyaは頼れる人が誰1人としていなかったのだ。
僕は本当にまずい状態だと察し、すぐさま病院・精神科へ一緒に行った。
しかし、その時にはもう遅く、yaくんは心身にかなりのダメージを負っていた。精神科が言うには、yaくんは常にサブドロップの様な精神状態に堕ちいっており、アフターケアが必要だと。それだけではなく、人間不信にもなっているそうだ。
(一体yaくんはいつからこの状態になるまで耐えていたんだろうか。
そもそも、この状態になるほどのいじめって、どんなものなんだろうか。
机に沢山の落書き?暴言や暴力?それとも仲間ハズレ的な?
いや、これほどの精神力が弱ってるんだ。
それ以上のことをyaくんは受けていたんだ…
yaは、小柄で、可愛らしい顔立ちをしている。
これは僕、ドムの特徴とは違ってサブの特徴に当てはまる…。もしかして、サブ特有のいじめ、、、?)
!?!?!?!?
僕はそれらのことを考えただけで、とてつもない吐き気に襲われた。
(もっと早く気づいてあげれば。
もっとyaくんと話していれば。
もっと、もっとyaくんを早くに手に入れてれば!!)
「…え?
手に…いれる…??」
そこで僕は、知らないうちにyaへ好意を抱いていることに気づいたのだった。
ーnoーーーーーーー
yaくんが精神科を通い始めてから数週間後、yaくんとその担当の精神科の先生が僕の部屋に訪れた。
yaくんには、今、心を寄り添える人物が僕1人しかいないこと。
サブドロップ状態に近いyaくんは信頼できるドムのアフターケアが1番治りが効果的であることを教えてくれた。
僕はyaくんのことが好きなため、その話は僕にとっても良いものだった。
しかし、
「アフターケア……ですか…」
僕は恋人経験が乏しい高校生のため、正直なところアフターケアの経験はなく、知識も授業で習ったところ程度のものだった。
そもそも、こんな僕がyaくんのパートナーになっても良いのだろうか?
もちろん、恋人的なほのではなく、応急処置目的とした仮のパートナーではある。
しかし、、、、
頭がぐちゃぐちゃになっている時だった。
「noさん、、、、無理になろうとしないでくださいね。、、、俺のことなんて、ほっといてもらって大丈夫なんで、、、」
yaは下を向いたまま、僕にそう言葉をかけた。
そのとき、恋の爆発的な何かなのか、ドムとしての本能なのか、ただただ友達としての善意なのか分からなかったが、強く、心に何かが宿ったのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
夏休みをあけたあたりから、yaはnoを少しずつだか、信頼してくれるようになった。
これはnoとyaにはとても大きなことで、最大な進歩を遂げたと言ってもいいことだった。
しかし、最近のyaの部屋は、かなり酷かった。
空のペットボトル。
ぐちゃぐちゃの布団。
開いてないカーテン。
noは胸が痛くなる。
「……食事は」
「してない」
「お風呂」
「覚えてない」
「寝てますか」
「まあ」
全部ひどい。
noは小さく息を吐いた。
「yaくん」
名前を呼ばれる。
それだけで、胸の奥がざわつく。
noは優しい。
優しすぎる。
だから嫌だ。
期待してしまうから。
「……なんでこんなにしてくれるのですか」
「放っておけませんから」
「俺、気持ち悪いですよ」
「そんなこと思ったことありません」
「嘘だ」
yaは笑った。
乾いた笑い。
「みんな最初はそう言うんです」
「優しくして」
「勝手に期待させて」
「そのあと気持ち悪がる」
noの表情が歪む。
yaは止まらなかった。
「俺、もう普通じゃないし」
「人とか怖いし」
「でもひとりも嫌で」
「めちゃくちゃにされたいとか思ってるし」
ぽつぽつ。
壊れたみたいに言葉を落とす。
「……最低だよな」
noの喉が熱くなる。
(違う。 最低なんかじゃない。
だって、僕の方が最低ですから。
yaくん、僕はそんな貴方を見て、守ってあげたい、救いたいという思いと腹黒に、興奮してしまっているんです、、、、 ぐちゃぐちゃに、、もう僕だけが頼りだと思わせたいくらいに、、、支配したいんです。)
noは爪が食い込むくらいに拳を握り締めた
「……yaくん」
優しく名前を呼ぶ。
yaが顔を上げる。
その瞬間。
noの理性が揺らいだ。
虚ろな目。
助けを求める顔。
壊れかけた呼吸。
全部、自分だけのものにしたくなる。
「ちゃんと俺の声、聞いてください」
低い声。
yaの肩がぴくりと震える。
サブとしての本能。
コマンド。
それが、甘く脳を痺れさせる。
「今からカーテン開けて」
「水飲んで」
「あと、ちゃんと僕のこと見て」
命令が落ちるたび、yaの呼吸が少しずつ変わっていく。
従ってしまう。
コマンドは怖いはずなのに。
noさんは安心してしまう。
yaは震える手でカーテンを開けた。
眩しい光が部屋に差し込む。
「……っ」
「偉いですね、yaくん」
その言葉だけで、頭がくらくらした。
褒められるのが気持ちいい。
認められるのが怖い。
noはそんなyaを見て、さらに欲が膨らむ。
——もっと。
もっと従わせたい。
もっと依存させたい。
「……noさん」
「はい」
「俺、多分」
「もうnoさんがいないと無理です」
その瞬間。
ぶつりと何かが切れた。
noはゆっくりyaに近づく。
逃げ場を塞ぐみたいに、壁へ手をついた。
「……そんなこと、簡単に言わないでください」
掠れた声。
普段の余裕なんてなかった。
「僕、全然余裕ないんですよ」
yaはぼんやりnoを見上げた。
その目はもう、完全に沈んでいる。
noだけを求める目。
それがたまらなく嬉しくて。
同時に、恐ろしくもあった。
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コメント
8件
もぅ、、、大好きですッッ癖すぎて癖ッッ尊い、、、天才、、no兄の揺らぎとか、yaくんの状態、状況の書き方が上手いおかげでつい話しに集中しちゃいました、、!!!no兄のdomの本能と理性が戦ってる感じとかもすごくよかったですっ!!
わぁ、なんか、もう、とんでもないですね。(語彙力)😧←今の僕の顔 ゆあんくんの心の空洞と言うか、麻痺して何も感じなくなって感情そのものが虚ろいでいってるかのような虚無から生まれるゆあんくん特有の儚さが表現されていて物語の入りから引き込まれていきました。常にサブドロップの様な精神状態をどう表すのだろうかと思っていましたが、ゆあんくんの言葉だけでなく部屋の状況、なおきりさんへの態度、そしてyumuneko様が自身で描いたサムネの絵も相まってより物語に気持ちが入り込めることができました。なおきりさんがサブとしての本能を抑えながら虚ろになって心が沈んでしまっているゆあんくんを内心必死になって救おうとしているのが痛いほど伝わってきますし、もうこのまま堕ちてしまいたいゆあんくんと助けたいが愛してるからが故に支配したいと本能が考えてしまうなおきりさん、二人の心境が複雑に絡み合って、虚しくて悲しくてでもどこか美しい、そんな二人の関係性が感じられました。😢自分で考えてなんですがここまで複雑な心境になるとは、、、🫢それを的確に表現出来るyumuneko様はやはり素晴らしいです!天才ですっ!😭一生ついて行きます!!🫶💕一緒に制作しているようで嬉しいです😭✨目指せ♡500!☺️すぐにいくと思いますけどねっ🤭💞今回も本当にありがとうございました!!!!🥰💞💞
読み終わりました……。まず、yaくんの「感じ方が分からなくなった」という一文にどきっとしました。傷つきすぎて感覚が麻痺する描写、すごくリアルで胸が痛みます。noさんの優しさに「期待してしまうから嫌だ」と拒絶しつつ、コマンドに従ってしまうyaくんのサブとしての本能と、支配欲を自覚しながらも優しく接するnoさんの二面性が絶妙です。世界観設定(ドム/サブ、アフターケア)が物語に深みを与えていて、この先の依存関係がどう転んでいくのか、とても気になります。続きを読むのが楽しみです。