テラーノベル
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かつて、
人間が統一した言語を使用していた古の時代、
人間は愚かにも天に届く塔を建てようとした。
それを危惧した神は人間に罰を与え、
言語をバラバラにした。
罰を与えられた人間は同じ言語で固まり、
国という形を成形していった。
無数の文化と文明を築き上げた。
愚かにも、自然の恩恵に仇を返して。
故に、神は人間に罰を与え、文明は滅んだ。
鉄屑を飲み込み葉を生す木々と、
蔦や苔が生茂る。
長い年月をかけて、少しずつ。
人間の文明を噛みちぎって行く。
『…くだらない。』
御伽噺にしても
質の悪いプロローグに反吐が出る。
神の尊厳と生まれながらにしての
地位の違い を理解させる為か、
上位存在としての力と立場を自慢したいのか、
つまらない奴等は分厚い鈍器を
大事に大事に見せびらかす。
『……ほんと、つまんない。』
歴史の真偽がどうどあれ、
今此の世界は、
かつての人間の叡智が滅んでいて、
“高貴な天使”と”愚かな人間”の2種類が
存在しているという事実で構成されている。
欠伸が出る程つまらない此の世界と人類が
文明の滅んだ今も尚生き続けているというのは
不幸中の幸いか、将又皮肉なのか運命なのか。
『……帰ろ。』
くだらない事をグルグル考えるのにも
座り心地の悪い倒れた廃ビルに座るのも
流石に飽きた。
羽の手入れも空の散歩も髪と輪のセットも
どれもこれも暇つぶしには程遠い。
『……はぁ。』
息の詰まる面白みのない場所に帰ろうと
かけていた腰をあげた時。
上から何かが落ちる音がした。
「あ、やっっべ。」
『……は、?』
「いっっってぇ~っ、」
「って、お前生きてる?」
『誰れの所為だと……い”ったっ。』
後頭部と背中に鈍い痛みが走る。
「ごめんごめん、人が居ると思わなくて」
そんな僕の痛みの重さをまるで理解して
いないかのような軽い謝罪を言葉にしながら
其奴はゆっくり身体を起こす。
金色の髪がさらりと流れ、深い蒼の瞳が見える。
「……てか、人間?」
疑いだとか嫌悪だとかの濁りの見えない、
純粋できょとんとした瞳で此方を見つめてくる。
「まぁいいや」
「俺、リンネ。」
「お前の名前は?」
くっきりと長い瞳をめいっぱい横に伸ばして、
笑顔で僕に手を差し伸べる。
『……アストルム。』
差し伸べられた手を断る理由も無く、
リンネと名乗る男の手を取る。
「へぇアストルム」
「たしかラテン語で星だったっけ。」
「良い名前だな 笑」
『……お前もね。』
「おっ、褒めてくれんだ。」
「俺も気に入ってるんだ 笑」
天使という存在として生まれた僕の上から、
空から落ちてきたのは天使なんかではなく、
羽のない唯の人間だった。
【星の廻りと燈に】
コメント
2件
書きたいもの書きたいままに書いてるせいで 連載がどんどん増えていく。 AI訳分からんすぎる何これほんと 気まぐれ投稿だけど許してちょ🫶🏻
この第一話、世界観の見せ方が巧みですね。冒頭の神話的な語りから一転、天使アストルムの退屈そうで皮肉な内面が描かれることで、ただの天使VS人間の構図じゃない予感がします。「天使なんかではなく、羽のない唯の人間だった」という一文に、この出会いが彼にとってどれだけ特別なのかが凝縮されていて、続きが気になります。リンネの屈託のなさも良いアクセントですね。