〜○年前〜
変則的台子高校近くの道路
悠佑side
暑さを感じるなと思うようになった6月の初旬。日差しはちょうどよく、空は雲ひとつない晴天だった。こんなにも巡られた天気にアイツらとの初の獅子組全隊長合同会議。今日はメンバーとまろとの初顔合わせという事で、俺としてはかなり緊張していた。なんて言ったって、そもそもほとけとまろはバチバチだったのだ。同じ青系統の髪色ということで仲良くして欲しいと思うのは俺のエゴでしかないのだろうか。
そんな事を考えながら道路を歩いていると後ろから声をかけられた。
「アニキ〜!!」
フワリと甘い柔軟剤の香りがしたかと思うと肩に手を回されバックハグをするまろ。彼は、最初こそ警戒していたものの、獅子組五番隊特攻隊隊長を任せたのならすぐさま活躍して行った、スゴすぎる。本人こそ自分を謙遜し、他のやつが隊長をやった方が良いだとかそんな事ばかり言っていたが、実力は確かのようだ。
そんな彼が急に抱きつくようになったのはいつからだろうか。彼は少し前まで海外で生活しておりその時の名残でこれは挨拶なのだろうか。まぁ、別に今のところ困ったところがないからいいが、たまにアブナイところを触ってくるので注意する必要がある。
「おぉ、おぉ、まろ急に抱きつくのは危ないからやめよな?」
「はぁ〜い♡」
俺の耳は壊れたのだろうか。彼の発言の最後に♡が着いたと感じる当たり俺も疲れているのだろうか。俺としては優秀なる五感はひとつでも失いたくないし、疲労も感じたくないのに、、、この世界は難儀なもんだ。
「ねぇ、、アニキ、、今日仏も来るんよな??」
「大丈夫やでまろ。仏も完全なる悪じゃない。元はお前と一緒のひとりぼっちやった奴なんよ。」
「そうだよね、、、。うん!俺頑張わ!!」
いつものぽえ声ではなくハッキリとした発言した彼を見ると思い出す。彼は、幾ら元自分の組の隊長だろうと純粋な一人の男なんだ。不安な事だってあるし、辛い事だってある、そんな奴をしっかり救わないという謎の使命感に追われ俺は彼の事を人一倍気を使っていた。
それから雑談をしながらまろと俺はお目当ての東公園に着いた。この場所はあまり人が居らず何人かで集まっても誰にも迷惑をかけないという俺らにとって完璧な立地だった。
待ち合わせの場所はバカ広い東公園の隅の方にある孤立したベンチ周辺。何故かポツリと置いてあるこのベンチは誰の趣味なのだろうか。そんな事を考えながら俺らはそのベンチの近くに行った。
「よっ!まろ、アニキ、今日は随分早かったね。」
「相も変わらずないこさんはお早い行動ですね〜?」
「ほんまに偉いな〜?」
「え、待って俺今煽られてる?え??」
俺がまろを獅子組に加入すると最初に言ったのはないこだった。獅子組の四番隊案出隊隊長の彼ならきっとすぐに状況を把握してくれる、そんな事を考え、俺はまろの教育係はないこに任命した。そんなだから俺とまろ、ないこはよく3人で話し合いをしていた。学校では美点である生徒会長のないこ、その逆の汚点である不良グループの長のいふ。同じクラスだが一見正反対で噛み合わないような2人だが案外プレッシャーを感じるところだとか似ているとこがあるらしく2人はすぐに打ち解けた。その場に居た俺ただの置物やったんやぞどうしてくれるん。
「会議まで後、10分か、、お前らなんか飲むか?俺自販機行くから買ってくるけど、、」
「じゃあ、まろも着いてく!!アニキに変な虫つかないように見張る!」
「俺も着いて行こっかな、、アニキが変な奴に襲われたら心配だし。」
「ん??何を言っとるん??」
意味わからない発言をした2人と一緒に自販機の方に行きながら俺は必死に考えた。男である俺に普通そんな心配するものだろうか。もしやこいつら相当疲れているのでは?獅子組の中では割と新人の方な彼らに俺は無茶をさせていたのだろうか。俺がスッカスカの脳内でぐるぐると考えていたら自販機に着いた。俺がお金をいれ彼等は好きな物と残りの3人の分のボタンを押した。ないこは微糖コーヒー、まろはブラック、子供組にはコーラ、俺は愛しの紅茶花伝がなかったため午後の紅茶を押した。今は午前だが飲んでもいいだろうか、そんな事を考えているとないふが急にアニキ可愛すぎ!?だとかギャップ萌えだわだとか言ってきた。本当に彼等はどうしたのだろうか。こんな男に可愛いだと??俺は彼らにそんなにも疲れを与えていたのか、俺は獅子組総長失格なのだろうか。
俺らは飲みのを飲みながら先程のベンチに座りながら他3人を待った。12分ほど待ったら、りうらが走りながらベンチに来た。
「まっじでごめん。ほんっとにごめん。道端で喧嘩してるヤンキー見てた。」
「いや、見てただけなんかい。」
「ってか、ふっつうに遅刻しんのなんなん。」
「いむと、初兎ちゃんに関してはもう、既に五分ほど遅刻しているからりうら安心して。」
「クッソみたいな態度で俺涙目だわ」
コメント
6件
午後の紅茶、午前に飲んでいいのか考えてる黒くん、可愛いッ!!そんなんただの商品名だから、気にすんなッ!!
うん。アニキは可愛よ?だって低身長で顔がロリでやさしくて、こんな最年長可愛いとしか言えなくない?! 午後の紅茶を午前に飲んでいいのか考えるところ好き…… 安心してくれ。われはさけるチーズを割かないで食べた( ´ڡ`* )