雑談しながらいむしょーを待って五分ほどが経過した。ないことまろは俺の両脇に、りうらはベンチを挟んだ俺の後ろに立って俺は囲まれていた。なぜこんなにも距離が近いのだろうか、そんな事を考えていると前から走ってくる2人の男の姿があった。
「ごめーん!!悠くん!遅れちゃった!」
「アニキ!僕からもほんっとにごめん!!」
「いや、全然ええよ。」
そうやって俺は2人にコーラを1本づつあげると、黙っていたまろが声を上げた。
「しょにだも、”仏さん”も、謝るのはアニキにだけなんですね。俺やないこ、りうらも一緒に待ってたんですけど、、」
「あ、あぁ、ごめんな??まろちゃん。ちょっと用事があったんや。」
何処か怒っているように感じられるまろの声に察したのかすぐさま初兎は謝ったが、仏は違った。
「は?確かに僕らも遅れたの悪かったかもだけど、なんで”いふ”にも謝らないといけないの??僕より後に入った癖に。」
「いや、仏さん。普通こういうのは全員に謝るんですよ?1人だけに謝るのって有り得ないなって。」
皆がいふの事を愛称で呼ぶのに仏だけは「いふ」と呼び、それとは逆にまろは何処か距離感を感じる様に「仏さん」と呼び敬語を使う。俺が心配していた通りやはり、ここはバチバチだった。でも、ここはアイツらが今まさに争う場所じゃない、まだ、言い合いをしている彼らに俺は声をかけ会議を始めることにした。
「まろ、ほとけ、そこまでしとき。言いたいことがあるなら2人の時な。今は、それぞれの進捗発表の日。わかったか?」
「わかった」
2人を刺激しないようにできるだけ優しい声を掛けても尚何処か2人は険悪のムードだったがまぁ、静かになったからいいだろう。本当に仲の悪い奴らは静かに争うってこの事なんやな、俺は2人の仲の悪さに少々呆れていた。
「じゃあ、一番隊から順番に発表でいいかな?」
「ん、わかったりうらからだね。」
それから、一番隊隠密隊隊長のりうらから今一番やばい組織の話を聞いたりした。他人を欺く事や、騙すこと、翻弄する事が得意なりうらに任命したのは隠密隊だった。彼の下につくものは特攻隊程ではなくとも高い戦闘力を有するものが多く一番敵に回したらやばい隊だと俺は思っている。
りうらが話した後は二番隊特攻隊隊長の仏が話し始めた。何処に喧嘩を売られたのか、どんな奴を加入させたのか、そんな事を聞いた。彼の隊はとにかく派手に、目立つように行動していた。他の高校のグループに圧倒的戦力を見せつける為に本人たちはやっているらしいが、たまに恐ろしい事を隊の全体が言い始めるためか、仲良くしている初兎の隊の奴らには少々警戒されていた。
仏の話が終わった後は三番隊救護隊隊長初兎のターンだった。1ヶ月の内の怪我人、処置の仕方、病院送りは何人か、そんな事の報告だった。本人曰く余り人が気づつくのが嫌だからみんなを助けたいという意思があり、主に救護を専門とする隊に任命した。他の隊に比べれば戦闘力は低いけれども本人達は自分を守る術はあると言い俺は余り心配していなかった。ちなみに隊のほとんどが心優しい奴で三番隊の事をマザーテレサ隊と呼んでいる所もあるらしい。
初兎の話が終わると四番隊案出隊隊長ないこが「それについてなんだけど!」と声を上げた。次の突撃の時に人数が足りないかもしれない、お金の徴収が足りない、怪我人が多すぎる、、だとかそんな話だった。案出隊と言えば作戦をたてるだとかそんな事を想像するやつもいるかもしれないが少し違かった。隊のほとんどがないこを含め成績優秀で、頭がいいという事で、お金の計算やら計算仕事やらなんやらも全てやってくれていた。まじで俺としてはないこが総長やればいいかなと思い、少し前声を掛けたが「いや、俺らは誰かの下に就くことで発揮する力があるから。俺らは上の存在になっちゃダメなの。」と言われた。俺が思うにこいつらはまじで社畜予備軍だと思う。
ないこの話が終わると五番隊特攻隊隊長のまろが静かに声を発し、淡々と現場の現状を教えてくれた。うちの隊には特攻隊が2組あるが、全く別のようだった。派手にやる仏達とは違い静かに苦しめていくまろの隊はドS集団だとも言われていた。元々、戦闘力の高いまろの組がそのまんま流れ込んだ為か戦闘力は桁違いだった。特攻隊である二番隊と五番隊は暗黙の了解で会話をしてはいけないというルールがあるらしいが実際のところはよく分かっていない。どうしても同じ目的の二番隊と比べられる事が多い五番隊は冷酷で冷徹な奴が多く比較的話が分かる四番隊とは仲が良いらしい。そのまんま二番隊とも仲良くして欲しいのは俺のエゴでしかないのだろうか。
5人それぞれの話が終わると彼等の視線は俺に向けられた。最後は獅子組六番隊筆頭部隊総長の俺の番だった。筆頭部隊と行ってもやる事は他の隊の補佐。隊の奴等は皆、厳格で割と優秀なエリートくんが多いがこれといって、やる事がなく暇なのでちょっかいをかけるという名目で密かに他の隊を助ける。六番隊はそんなふざけたような隊だった。他校の奴等は六番目の隊という事で一番弱いイメージを何故か持ってしまうらしく、舐めてかかってくるがみんな優秀なので俺は安心していた。しかし、本当に六番隊は優秀な奴が多い。誰か俺の代わりに総長やってくれんかな、、、そんな事を思いつつどんな事がココ最近であったかを発表し俺の話はおわった。
最後の最後まで静かに聞いていた5人に俺は飯を奢る事にした。時刻は昼時という事なのでマクドでもいいだろうか。そんな事を皆に聞いたら満場一致で行く事になった。俺の今日の目標は何とか仏とまろを仲良くさせる事。そんな事を思いながら俺らは近くのマクドに向かった。
記念すべき30話ですね!合計♡10,000越えありがとうございます!!
コメント
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あれ?しょにだ初めはマザーテレサ隊だったの?あれ?今案外強いところの総長だったよね?? ドS隊……www名前の響きがいいのなんか好きwww ちなみに回鍋肉ぐらいだったら全然奢りますよ?もう1つはなんて読むんかわかんない★