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「愛楽!」
お母さんたちが任務に行ってから3日目、レヴィが焦ったような、嬉しいような、感情がごちゃごちゃになった顔で私の名前を呼んだ。
「どうしたの?」
「御神さんたちが帰ってきた」
「それは…」
どういう意味で言ったのだろう。ちゃんと、生きて帰ってきたのか、それとも…。
「今KEELにいる。成也さんは外傷が軽く多い程度らしい。けど、愛さんは…」
「お母さんは…?」
「脇腹を刺されて、左肩は骨折してるらしい。正直厳しい状態だって」
「そ、んな…」
うそだ。信じたくない。それでも、受け入れるしかない。レヴィがこんなに焦ってる顔を私は今まで見たことがない。本当に厳しい状態だということがひしひしと伝わってくる。
「愛楽、行こう」
「え…?」
「事務所に行こう。言うんだろ?おかえりって」
「…でも、海斗は」
「海斗も連れていく。アイツだってお前みたいな性格してるけどまだ小1なんだ。親には会いたいもんだろ」
「わかった」
よかった。もうこれ以上海斗を1人にしたくなかったから。
KEELに着いて、私たちは医務室に案内された。そこには闇医者とまきをさん、そしてお母さんとお父さんがいた。
「愛楽、海斗!」
「「お父さん!!」」
私たちは両腕を広げたお父さんの胸の中に飛び込んだ。平均男性より体格のいいお父さんは私たち2人を簡単に包み込む。
心臓の音が聞こえてきた。一定のリズムを刻んで血をめぐらせているのだ。お父さんが生きている証。良かった。
「レビ、愛楽たちを支えてくれてありがとう」
「ッ…、いえ。俺は当然のことをしたまでです。それに、成也さんが無事で…っ、よかっ、たです…」
レヴィが俯く。泣き顔なんて見られたくないのだろう。私たちは次にお母さんを見た。汗が滲んで、左肩は固定されてる。腹に包帯が巻かれていて痛々しい。呼吸するだけでもつらそうだ。
「恐らくあばらも折れてるだろうな。愛さんの体力考慮して詳しい検査はできないけど、何となくわかるさ」
闇医者は続けた。
「左肩については、ムリに動かしたせいで可動域が多少狭くなるかもしれない。腕が上がらない可能性もあるが…まぁそれはないだろう。しっかり安静にさせておけばいい。問題はこの脇腹の傷だ。予想以上に深くてな、傷口が塞がるのに時間がかかりそうだ」
「治るんですか?」
「あんたが愛楽ちゃんか。安心しろ、俺の腕で治してみせる。お前らの家に帰すから」
「よろしくお願いします…!」
「お願いします!」
私の後に海斗が続く。私たちを見て闇医者は微笑んだ。
「御神たちの間に生まれた子供とは思えねぇぐらい、しっかりしてんじゃねぇか。ちゃんと育ててやれよな。二人で」
「あぁ、わかっている」
私たちは、まだおかえりとは言えなかった。
コメント
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第41話、読み終えました……もう、胸がぎゅっとなりました。 お父さんが両腕を広げて愛楽たちを包み込む場面、あの「心臓の音」で生きている実感を確かめるところが、本当に優しくて泣けました。そしてレヴィが「成也さんが無事で…」と涙を隠すところも、彼の必死さが伝わってきて。 母親の傷の描写は痛々しくて、でも「治してみせる」と言い切る闇医者の存在に少しだけ救われました。 「おかえり」と言えなかった余韻が、次への期待をぐっと引き上げます。続き、絶対に読みます。
輝瀬黒(ペア画中
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