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ー空舞sideー
愛楽たちが海斗くんを預けたあの日から、愛楽とレヴィさんは学校に来ていない。海斗くんは学校に行っているみたいだけど、今日は登校する姿を見なかったから休みだ。
「相模兄弟いるかー?」
「「はい?」」
「おぉ、さすが双子。ちょっと聞きたいんだが、御神と幼なじみなんだよな?」
「そうですけど…」
「御神に何かあったか?最近学校来てないから。親御さんとも連絡取れないし、もしかしてイジメで思うことがあるとか」
「いや…特に聞いてないです」
「あーちゃんの親とも連絡取れないの?」
「取れないんですか、だろ。何回も電話してみたり、家に行ったんだけどな」
愛楽の両親は社交性のある仲のいい夫婦だ。家を出てったという線はない。それに、愛楽に何かあったとなればすぐ僕たちに頼るだろう。
「そうですか、僕の親に聞いてみます。何か分かったら伝えますね」
「そうか、ありがとうな。ところで、なんで空舞は自分の教室にいないんだ?もう授業始まるんだぞ?」
「ほら奏舞、すぐバレただろ?」
「これはたまたまじゃん!次やったら絶対…」
「おい、イタズラ好きの弟。兄を巻き込むな」
奏舞が先生に叱られてるうちに、僕は教室に戻った。
帰る途中、愛楽の家に寄ることにした。奏舞も着いてきたのはいいとして、なんで澄舞も来るんだ。
「澄舞、家に戻れ」
「私も海斗くんが心配なんだよ?」
「だから、僕たちが確認してそれを澄舞に伝えれば」
「やだ!自分の目で見るから!」
最近自分の意思を誇張することが多くなった。誰の影響なのか知らないが、少しやりにくい。
「あーちゃん心配だな…」
「とにかく何も無いことを祈ろう」
愛楽の家のチャイムを鳴らす。2回目でドアが開いた。
「あ、空舞くんと奏舞くん」
「海斗くん、愛楽はどこにいるのかな?」
「姉さんならレヴィくんと出かけてるけど」
また、二人で出かけたのか。
「どこに行ったのか知ってる?」
「いや…特に聞いてないかな」
「海斗くん体調悪くておやすみしたの?大丈夫?」
「大丈夫だよ。ありがとう澄舞ちゃん」
ここまでか、と思い引こうとした瞬間、奥から愛楽かのお父さんが現れた。
「おぉー!空舞くんと奏舞くんじゃないかー。しかも澄舞ちゃんもいる」
「あ、お久しぶりです」
「おじさんこんにちは!その傷どうしたの?」
奏舞がストレートに聞く。奏舞ナイス。
「仕事でちょっと無茶しちゃってなー」
「消防士、でしたっけ。お疲れ様です」
「2人はどうしてここに?愛楽に用があるのかな」
「はい」
「ごめんなー。今愛楽レビと一緒に出かけてて」
「いつ、戻りますか?」
「うーん…しばらくは戻ってこないかもしれないなぁ」
「あーちゃんどこに出かけたの?」
「実家だよ。妻の実家」
「…そうですか。ありがとうございました。じゃあ僕らはこれで」
「うん。これからも愛楽をよろしくねー」
僕らはその場を後にして家に帰る。明らかにおかしいのは分かっている。けど、全員が本当のことを言っているようで疑いきれない。
「空舞、あーちゃんの事はそっとしてよ?」
「なんで…」
「俺はあーちゃんのこと信じてるもん。空舞も信じてるでしょ?だからだよ」
本当に、僕は愛楽のことを信じているのだろうか。
コメント
1件
空舞の視点だからこそ、愛楽がいないことへの不安と、奏舞に「信じてるでしょ?」と言われた時の心の揺れがすごく伝わってきました。お父さんの傷の描写も気になるし、海斗くんの様子も含めて「みんな本当のことを言っているようで疑いきれない」もどかしさが、読んでるこちら側にもじわじわ来ますね。愛楽の行動の裏に何があるのか、続きが本当に気になります…!
輝瀬黒(ペア画中
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