「家まるごと!?」
「そんな家ありませんって言われた」
皆驚いていた。俺は遠くから聞いていて、ついまた三上に話しかけてしまうのだが、いるわけもなく……
「帰る」
その子は帰ってしまった。無理もない。皆同情していた。俺も帰ろうかなと思ったその矢先、三上が登校してきた。
「三上!」
「おはよう」
「何やってんだよ! 今大変なことになってんだぞ!! うちのクラスは!!!」
「帰る」
「は?」
「うるさい」
席を立ってまた支度をし出した三上に対して、俺はまったをかけた。
「めんご! 三上!! めんご!」
「あなたの良さを全否定はしないけど、それにしてもうるさいわあなた」
俺が三上に全力で謝ると三上はもう一度席について鞄から弁当を食べ始めた。俺もそれに乗じて弁当を取り出し食べ始めたあたりで同級生の一人が俺に話しかけてきた。
「まだ三時間目だけど」
「あ」
三上は目をぱちくりさせながらもう一口弁当を口に放り込んだ……
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