コメント
2件
ハートどれぐらい押せばいいですか?
この物語好きです!
『…………、かう』
相「……あ?」
『個性、使ってやる』
私は、ぜってェヒーローになんなきゃいけねェんだよ!!
私は小さく息を吐いて、首をゴキバキと鳴らしてから、サングラスを少しずらして、ボールを強く握りしめた。
そして、ぐっと前を見つめてボールを思いっきり投げ、ビュンと飛ぶタイミングで呟く。
『…….ダークボール』
「「!?」」
すると、ボールは黒く燃えて、一気に飛んで見えなくなった。
ピピッとなった測定器を見ると、∞とでている。
そのとたんすっげー!!と騒ぎだす奴らに、私の個性がバレてないことを確認し、ふーっとため息を吐いた。
よし、バレてない。
これで除籍にもなんねェし、もうあんなことにはならねェ。
私は全部の声を無視して元の場所に戻ろうとする。
が、ワカメ野郎に止められた。
相「おい」
『……あ゛?』
相「おまえの個性はなんだ」
『……アンタほんとバカだな。それで教えると思ったか?なんのために嘘吐いて隠したと思ってんだよ』
相「……なら、なんで使いたがらない。そこまで拒否する理由はなんだ」
『理由、ねェ?』
理由。
その言葉に思わずソイツの方を振り向いた。
だって笑えるだろ?なんで使わないか、なんてよ。
逆になんで私が教えると思った?
ははっ、笑いが止まんねェわ。
『私が、オマエら人間どもに切り札を教えてどうすんだ?そんなのいいことなんもねェだろ』
相「……は?意味がわからない。もっと合理的に説明しろ」
『ふは!だーかーらー、わざわざ敵に塩送るほど私はアホじゃねぇっつってんの。私の個性は、知ったら弱点とかすぐわかっちまう。
……まー簡単に言うとな? オマエらはヴィランにわざわざ自分の弱点教えるか、ってこと。
私にとってオマエら人間は全員ヴィラン。敵なんだよ』
あたりまえのことを説明するのがまた面白くて、にやける。
その私の顔を見て、ワカメ野郎は目を見開いてから真剣な顔で私を見た。
相「……さっきから人間、人間って自分は人間じゃねぇみてぇに言ってるけど、おまえだって立派な人間だろうが。かっこつけてんじゃねぇよ」
『はぁ?私が、人間?……っぷ、ははははっ!!え、なに新しいジョーク?アンタってそんなキャラだったんだな。クソつまんねェジョークサンキュー。
……あのな。私は、人間なんかじゃねェ。オマエらと一緒にすんな。私は__化け物だ』