※🎧🖋だよ
※🎧🖋だけどぽくない(🖋が強い)
※リクエスト品だよ
※幻獣パロだよ
※🎧は沼だよ
※前回(綺麗な沼にはなんとやら)の続きだよ
※おーけー?
🎧酒宴の前座には程遠い🖋
俺とウイエはかなり昔からの付き合いだった。それでも恋人として付き合い始めたのは最近。恋人になってからも飲み仲間という関係は変わらなかった。優雅に俺の隣で酒を嗜むウイエを見ていると、ただ酒を飲んでいるだけのこの時間がなんだか特別なもののように感じられて、俺は好きだった。
でも最近ウイエに対して思い始めている事がある。それは、あいつが”幻獣”ではないか、という疑問だ。
「アクシズ?アクシズ?大丈夫かい?最近ずっとボーっとしているじゃないか?」
「あ、スマン・・・・・・最近考え事が、な・・・」
「私には相談してはくれないのか?」
「え、えーとそれは・・・」
思わずもごもごと言い淀んでしまう。お前は幻獣、空想の存在なんじゃないか、なんて聞けるはずがない。もう一度言うが、幻獣というのは空想でおとぎ話の世界の話だと言われていて、小さい女の子とかそういう子達が信じるような存在だ。ウイエにそんなこと言ったら幻滅されてしまわないか心配なのだ。
「恋人の私にも言えないくらい重い話なのかい?」
「ん、ん〜・・・お前だからというか、なんというか・・・」
「焦れったいねぇ?引かないから言ってごらんよ?」
ウイエが俺の手を握りながら、若干上目遣いで話しかけてくる。ヤバ可愛いすぎ俺の彼女。ウイエがそう言うなら・・・言うぞ!?いいのか!?言ったのお前だからな!!
「・・・絶対に引くなよ?」
「分かったから、言ってごらん?」
「・・・・・・ッスゥ-お前ってさ?幻獣・・・なんじゃないのか?」
「・・・理由は?」
やっぱり引かれてんじゃねぇか!!そりゃあ当たり前なんだけどさ?ここまで来たらもう戻れないと察し、洗いざらい話すことにした。
「俺達沼族はさ?体力もMPも基本的に回復アイテム使わないと回復しないじゃん?そりゃあ休める環境で休めば回復はするけどさ。」
「うん、そうだね。」
「でもウイエはさ?時々戦闘中、何もしてないのに体力とMP回復してることないか?SPスキル使ってた感じでもなかったし・・・」
「私がドスケベ妄想使えるのは知ってるだろう?MPはそれで回復してるとは考えられないかい?」
「それも・・・あるとは思うけど・・・」
ウイエに焦ってるような様子は感じられない。そもそもウイエ自体表情筋が変わるタイプでは無いので俺がちゃんと見ていないだけかもしれないが。
「そ、それに!お前太陽みたいに熱爆属性の攻撃技使わないのに、火の玉作ってることあるじゃないか!あれはどう説明するんだよ!?」
「・・・・・・・・・」
全く表情筋が動かないので今、ウイエが何を思っているのかは分からないが、頬杖をついて俺のことをじっと見つめている。なんか、気まずいな。
「ふっ、あっははははは!!!」
「うわっ!?なんだなんだ!?」
いきなり黙ったかと思ったら、急に笑い始めるウイエ。目尻に涙を浮かべるほどの大爆笑だ。そんな変なこと言ったか!?言ったわ・・・
「そ、そんな笑うことないだろ!!」
「はーwごめんごめんw余りにも大真面目に話すから面白くてねw」
涙を人差し指で拭って、一呼吸置いてからウイエは話し始めた。
「でも、まさかアクシズに見破られるとは思ってなかったな。私もまだまだだね。」
「・・・え?」
ウイエはひらりとカウンター席から降りて、俺の方を見ながらパチンと指を鳴らした。瞬間、ボフン!と白い煙が現れて ウイエの姿を包みこんでしまった。その煙が目(あるかどうかは分からない)に入ってしまい、思わず顔を擦る。次、目を開けた時には狐耳を生やし、五本の尾を揺らして俺の前に立っているウイエが一番に目に飛び込んで来た。
「どうかな?久しぶりかもね、この姿になるのは。」
「えっえっ、狐・・・?九尾・・・ではない?」
「そ、私はまだ五本なんだ。いつかは九尾になりたいものだね。」
特に動じることなく、俺と会話のキャッチボールを成立させているウイエ。目元に入った紅色の化粧がウイエの美しさを更に後押ししている気がして、ついついその姿に見入ってしまった。
「エクレアにいつかはバレるぞ、なんて言われていたが、まさか本当になるなんて。」
「エクレア!?あの、ユニコーンの!?」
「おや、知ってたのかい?」
「知ってたも何も、俺この前会ったんだよあいつに!!」
「なーんだ、そういう事だったのか。」
くすくすと先程までとは違う、上品な笑いを零してウイエはまた俺の隣に腰掛けた。曰く、ウイエとエクレアは古くからの知り合いで、俺とウイエが付き合っているという事も知っていたから、あの時俺の前に姿を現したらしい。おいおい、俺のプライバシーは一体何処へ・・・
「あ、そうだ。私が幻獣だってこと、まだ内緒にしててね。フク郎相手だったら言ってもいいけど。」
「それはいいんだけど、フク郎は何故・・・??」
「私はね、あの子に召喚されてここに居るからさ。」
「うぇっ!?」
いきなりのカミングアウトに肩が跳ねた。どうやらフク郎が冗談だと思って使い魔召喚の儀、というものに手を出した結果、それはホンモノだったらしく、フク郎の膨大な魔力に釣られてウイエが召喚されてしまったようだ。召喚されても使い魔契約は行われず、それどころかウイエの作品に感動したフク郎が弟子にしてほしいと頼み込むという異例の自体が発生。面白いもの好きのウイエはそれに乗っかり、今に至る、という訳だ。
「ふふっ、召喚されるまではここってつまらない場所って思ってたけど、いざ来てみると面白いものだよね。君もいるし。」
「へ、へぇ・・・」
尾をユラリと揺らして、ウイエは酒の入ったグラスを傾けた。フク郎がそんな怪しい術に手出してたなんて全然知らなかったんですけど!?嘘つくの上手くない??
「で、私が化け狐だと知ってしまったわけだけど。これでも君は私のことを愛してくれるのかい?」
「・・・!あたりまえだろ!?ここまで付き合ってくれていた彼女を今さら捨てるかよ!!そこまで俺は落ちぶれたくは無いしな。」
「はぁ〜・・・君、そういうところだよ・・・」
「え!?え!?何!?」
ウイエは顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。耳はぺしょりと横に垂れ、心做しか尾も体を隠すように丸まっている。これは・・・照れてる・・・だけだよな!?そうだよな!?
「アクシズ。」
「なんだ?」
「愛してる。」
「・・・俺も。」
ぽそりと呟くような告白に対して短い返事で答えてやる。ウイエは嬉しそうな笑みを浮かべて、顔を赤らめた。やっぱり俺ウイエが好きだわ。これからもずっと一緒に居れたらな、なんて。ついつい考えてしまうのだ。
これはまだ宵の口にひっそりと開かれた、甘酸っぱい二人だけの酒宴の物語。
💙・━━━ ℯ𝓃𝒹 ━━━・🧡
コメント
29件
あ“ぁーーーーーーーーー!!!!!!!!!! 尊いですッ!!!!!うぐわぁぁぁぁ!!!!!!!!!! 読んでる時ニヤニヤが止まんなかったんよッ!!!!!
リゼルグさんのリクエストだよ!!あざ!!!!!!!!!
アッー!アッー!困りますぅ…(尊すぎて)