※擬人化(女体化)だよ
※🎈📱ちゃんだよ
※駄文注意
※おーけー?
🍁秋晴れの澄む頃に
周りの木々から巣に帰る鴉達の鳴き声が聞こえてくる。嗚呼、もうそんな時間か。時刻を確認してみれば、今は大体四時半ごろ。秋の夕日が山を照らし、その木々や葉は黄金に輝いている。黄昏時特有の薄い桃色と橙色の空に炎のように明るい雲が漂う。この時の空の淡い橙色は東雲色と呼ぶ、と何処かで聞いた事がある。そして、ふいに足を止めて、下を見ると横に伸びた黒い影が俺の足に着いてきている。前までこの影は風船みたいな形をしていて、俺の足に張り付くことなんてなかったのに。そんな事を考えながら俺はすっかり歩き慣れた坂道を上がっていった。
「やっと着いた・・・」
着いた先は自分が借りている廟堂。今日は外に少し用があって出掛けていたのだが、他の事にあれよあれよと巻き込まれ、気が付いたらこんな時間になってしまっていたのだ。
「マリキン・・・まだ居るかな・・・。」
自分から呼んだくせに、夕方まで帰って来なかったら流石にマリキンは帰っているだろうか。久しぶりにマリキンの休みと自分の暇な日が被ったからパーっとやろうと思ったのに。結果、急用が出来ちゃった訳なんだけどさ?
玄関で高下駄を脱ぎ捨てて、居間に向かう。ギシギシと鳴る床はひんやりと冷たい。秋だし、寒くなってきたもんね。
「居ない・・・か・・・。」
居間の電気は着いておらず、貸し出しているマリキンの部屋にも彼女は居なかった。そりゃあこんなに待たせちゃったらもう居ないよね。だって呼んだの二時くらいだよ?俺でも待てないよ。
はぁ、とため息を着きながら再度、居間へ向かう。マリキンも来なかったし、後は適当になんか食って寝よう。そう思った矢先、今更縁側に誰かが座っている事に気が付いた。夕日を反射する真白の髪と、白黒のボディスーツ。『廃課金』と印刷された少しくすんだ白の短いTシャツに、インディゴブルーのジャージ。間違いない。マリキンだ。
「マリキン!まだ居たの・・・って寝てるし・・・。」
驚いて中庭に出てみれば、彼女のベビーブルーの瞳は白い睫毛で縁取られた瞼の下に隠されていて、すぅすぅと寝息が聞こえてくる。よくもまぁこの縁側で無防備に眠れるものだ。
しかし、それよりも驚いた事はマリキンの周りにまぁ色んなエネミーや生き物が大集合している事だった。足元では虐待羊が三匹ほど鼻ちょうちんを膨らませているし、膝の上にはファンタコブラがとぐろを巻いているし、極めつけには彼女の髪に蜻蛉が止まっているのだ。その姿が何処ぞの姫のように見えて、とても美しく感じられた。
「ディ〇ニープリンセスかよ、お前・・・。」
しゃがみこんで下から見上げるようにマリキンを見つめる。暖かい色の夕日に包まれた彼女とエネミー達も合わさって、それはまるで芸術品のようで。何時までも見ていられるような気もした。
「・・・・・・・・・んぁ?」
「あ、起きた。」
「おー・・・フサか・・・」
俺の気配を感じたのかマリキンが眠そうに瞼を開けた。やはり記憶の中のマリキンの瞳より、今見ている瞳の方が何倍も美しい。マリキンは数回瞬きをした後、やっと自分の周りがエネミーで包囲されている事に気付いたらしい。素っ頓狂な声を上げて驚いていたよ。
「うおっ!?んだこれ!?おい!!フサぁ!!気付いてたんなら助けろよ!!」
「ごめぇ〜ん☆中々見れない光景だからついうっかり☆」
「『うっかり☆』じゃねぇよ!!ったく・・・」
頭を数回掻いてから、マリキンはそっと自分の膝の上のファンタコブラに手を伸ばす。でもかなり深く眠っているようで、マリキンに掴まれても起きる素振り一つ見せなかった。それは虐待羊も同じで、俺に抱っこされて外に出されるその瞬間まで起きなかった。
「お、起きた起きた。もう来んなよ〜。」
「君たちもね〜!」
自分達が外に出されたと理解したエネミー達は俺たちに襲いかかる事なく、自然に帰っていった。虐待羊は分かるけど、ファンタコブラまで牙を向かないなんて・・・よっぽど気持ち良かったんだろうな。
「ふぁ〜あ・・・で?いい酒あるんだろうな?」
「もっちろん!それは任せてよ!ここまで待ってくれてホントに感謝してるんだから!!」
「っしゃ、やりぃ〜!待ったかいあったわ〜!」
マリキンはジャージのポケットに手を突っ込みながら廟堂内に戻っていく。さて今日は何時まで一緒に飲めるだろうか。期待に胸を踊らせながら俺はマリキンの後に続いた。
__𝐹𝑖𝑛.
コメント
28件
何だ…ただの神か…(死)
森の中のマリ姫ですね!!!!(?)
リハビリ作品でーす。リクエストぼちぼち消費中なの許して!!