テラーノベル
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未来ちゃん歌大好き
あの夜から、同じ街を何度も歩いた。
同じネオン、同じ音、同じ匂い。
でも君だけがいなかった。
夢だったのかもしれない、
そう思いかけた頃——
「まだ探してたの?」
振り向いた瞬間、時間が止まる。
あのときと同じ笑い方。
同じ距離感で、君はそこにいた。
「遅いよ」
軽く言うくせに、どこか嬉しそうで。
今度は迷わない。
一歩踏み出して、距離を詰める。
逃げると思った。
また、するりと消えると思ってた。
でも——
「……今日は、いいよ」
君は動かなかった。
触れられる距離。
初めて、ちゃんと見えた表情。
強がりも、余裕も、その奥にあるものも。
「捕まえた?」
試すような声。
だから僕は、首を振る。
「いや、まだ」
その答えに、君は少しだけ笑った。
夜はまだ終わらない。
今度こそ、この距離の意味を確かめるために。
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