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へいよーーーー!!!!!!!😎😎😎😎遅くなった、、、、、
前回言ったとおりに琴葉の過去編となってまし!!!!!!!!!!!!!!
↓どぞん🤗🤗
第四話 琴葉の過去
『琴葉は私に似て綺麗な青い瞳をしてるわね〜』
『うん!琴葉もこの目大好き!』
毎日が幸せだった。学校に行ったことなんてなかったし、友達がいたわけでもなかったけど、でも…お母さんといる時間がなによりも大切で大好きだったから。
→琴葉5歳
「ままぁー!」
タッタッタッタ(琴葉の走る音)
「あら、琴葉♡どうしたの?」
「みて!これ、ちゅくったの!」
私はよく、家の近くにある小さな花畑でよく遊んでいた。誰も知らない、私とお母さんの唯一の安らぎの場所だった。
花畑(菊)
お母さんは菊の花が大好きで、私はいつも菊の花を摘んで、お母さんに渡していたのを覚えている。
「まぁ♡ありがとうね」
笑顔で喜んでくれるお母さんを見ると私まで笑顔になって嬉しかった。
そんな時間がいつまでも続けばよかったのに、
「紫鳳(シホウ)!お前ってやつは本当に使い物にならないな!」
「っ、ごめんなさい…あなた、、」
お母さんには愛人がいた。私の実の父親だ。
夫婦の愛情なんて、家族の愛情なんて何も知らない。分からなかった。森の奥でひっそりと母と暮らしていたのに、月に一回ほど父は私達の家に来て、母を殴り、蹴る。満足したら帰っていく。繰り返しの日々だった。たまに、私にも手を上げたことがあったけれど母が全力で庇ってくれた。自分の目の前で母が父に殴られる光景は幼い子供には重すぎたのだ。
「、、ま、ままぁ〜!(泣)」
「ごめんね…ママは大丈夫だから、」
細く、白い手で私の頭を優しく撫でてくれる。ただ、ひたすら泣く私に何も言わず、ずっと慰めてくれた。
あの唄を歌いながら。
白き菊 夜に咲く
誰の恋やら 風に散る
指先で触れし夢
ほろり涙に ほどけゆく
灯りひとつの 楼の中
咲いては散るを 待つばかり
心ひとひら 残せたら
菊の香 君を包むように
白き菊 夜に咲く
ふたり 知らずに すれ違う 〜♪
優しい歌声。なぜか、落ち着く唄だった。
いつか、お母さんと歌おうと決めていたのに。
私が、十五歳を迎えた時にお母さんは死んだ。お父さんに殴られ、体力の限界だったのだ……私の分まで構うから。
「お前の、母親は死んだんだ。でもな、コイツの金だけじゃやってられん。お前も死んで売れば…まぁ、その顔じゃ二十両くらいはいけるか…」
その時、自分の中の何かが壊れる音がした。
「…は、?売った?お母さんを?」
一晩中探しても、母の遺体は見つからなかった。本当に売られたのだ。
「、、ぅう’’、わ’’ぁあ’’’’ーー!」
泣いた。泣きまくったんだ、ただずっと。泣いても泣いても、母の優しい歌声は聞こえることはなくて、頭を撫でてくれるわけでもなくて…一人でいることがこんなに怖いとはおもわなかった。
しばらく、私は放心状態になっていた。母がいない代わりに、父に殴られても、蹴られても、悪趣味なことをされても何も、感じなかった。
’’無’’だったんだ。
突然、森の奥にある不思議な神社に行こうと思った。それしか頭になかった。神社といっても鳥居となにかの石像があるだけで、人は誰も居なかったし、知っている人は私とお母さんだけだった。
神社
「…着いた」
誰も手入れをしていないはずなのに、鳥居は新品のように輝いていた。
私は奥へと進んだ。
奥には小さな木箱があり、いわゆる神様が祀られているものだった。木箱には一枚の神札が貼られていた。
なぜか、その木箱にお祈りをした。勝手に体が動いたのだ。
『…もう、こんな世界嫌です。平和に暮らせる世界に連れてって』
神頼みだった。神様なんていないのに。誰も救ってくれるはずがないのに。でも、少しでも可能性があると信じる自分がいた。
もう一度だけでいいから、あの頃のように誰にも邪魔されずただ、ひっそりと幸せに暮らしたかった。
「、、? えっ…はっ、」
気がついたらあたり一面が真っ白な光に包まれていた。眩しすぎて、直視できなくてその場にしゃがみ込んだ。
するとそこはーー
遊郭だったのだ。
「って、感じですかね…まぁ自分が悪いんでなんとも言えないんですけど」
誰かに話すつもりじゃなかったのに。話しちゃった…
「そ、そんなの…あんまりじゃないか」
「なに泣きそうな顔してるんですか?関係ないでしょ、」
何も死知らない他人のくせに。私が泣きたいっての…
「そっか、、俺達、琴葉ちゃんのこと何も知らないで勝手にしてごめん…でも、女の子が此処に一人でいるのは危なすぎる。せめて、家で暮らさない?」
悔しいけれどその通りだ。私みたいなやつが一人で此処で生きていくなんて無茶な話。この人がいなかったら、私は死んでいたのかもしれない。
「、、でも、帰ったら妓女にされるじゃないですか。嫌ですよ」
まじで妓女だけは嫌だ。死んでもなりたくない。芙蓉さんには悪いけどいい仕事とは思わないな。知らない人にカラダを売って稼ぐ。大金は手に入るのかもしれないけど、全部の客がいい人だとは言い切れないし…
「あぁ、そのことなら大丈夫。悪いことした〜って反省してたよ笑」
「反省…」
死ぬのは怖い。でも、妓女にはなりたくないんだ。いくら此処に頼れる人がいなくても、お母さんがいなくても私は…
「…えっ、、」
目から涙が溢れ出していた。なんで…?泣いたことなんてあの日以来だったのに
「琴葉ちゃん、俺達と一緒に帰ろう?」
嫌いなのに。嫌なのに。最低のはずなのに…
私は無意識に彼の差し伸ばす手をとっていた。
【終わり】
短くてごめん!!!次回遅くなる!🥺