遺跡の手前
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
(…レラの声が聞こえる。)
「お兄ちゃん!おきて!」
(とうとう幻聴が聞こえてきたな…)
「お兄ちゃんってば!」
「!?」
えっ?死んでない?生きてる!?
「お兄ちゃん!やっと起きた…死んじゃったかと思ったよ~!」
レラの目元に涙がうっすらと見えた。
「ご、ごめん。レラは怪我とかない?」
「うん!大丈夫だよ!お兄ちゃんが庇ってくれたから!」
「よかった…。にしても、ここどこだ?」
「ねぇねぇ。そこの二人。」
「?!」「?!」
そこには横縞のシャツを着た女の子がいた。
「君達、この地底の世界に落ちてきたばかりでしょ?」
「えっ、あ、うん。」
「お姉ちゃんは誰?」
「名前言ってなかったね。僕はフリスク、よろしくね!」
「私はレラ!よろしく!」
「僕はキフ、フリスクさん、よろしく。」
「こちらこそ、二人ともよろしく。僕のことは呼び捨てで良いからね。」
「なら僕らも呼び捨てでいいよ。レラ、それでもいいか?」
「うん!もちろん!」
「わかったよ。キフ、レラ。早速なんだけど、ここは地底の世界。この世界には今のところニンゲンは僕達しか今は生きていないんだ。」
「過去に僕達以外にもニンゲンはいたの?」
「うん、いたよ。7人くらいね。」
「なんでいなくなっちゃったの?」
「……モンスターに殺されたから。」
「モンスター?!」
「うん、だけど勘違いしないで欲しいんだ。」
「今は地底の世界では落ちてきたニンゲンは殺さないことになってるから。」
「?ねぇねぇお兄ちゃん。何話してるの?」
「レラには多分まだわからないんじゃないかな。」
「なら、レラには実際にこの世界を歩いて知ってもらうことにしようか。」
「お兄ちゃんは?」
「もちろん、キフもいるよ。僕が君達を案内してあげる!」
「いいの?」
「もちろん!」
「じゃあ、お願いしようかな。」
「そうと決まれば!まずはこの遺跡から案内するよ!」
ということで、フリスクにこの世界を案内してもらうことになった。
この世界が安全かどうかはまだ分からないけど、
いざとなったら僕がレラを守ればいい。
絶対に、レラを死なせはしない!
コメント
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話の構成がしっかりしていて 凄いと思いました(*´ω`*)