閉店後。湊とシンは家路を歩いていた。
はあっ…と息を吐くと澄んだ空気に白い息が空気中に溶けて消える。
暗い夜道はしんと静まりかえり足音だけが響き渡る。
シンは湊の手を繋ぐとそのまま自分のポケットに入れた。
湊の冷えた指先がシンの体温を通して熱を帯びる。
繋いだ手がポケットの中で絡み合う。
悪戯にシンは指に力を込める。
「いてぇよ…ばか……」
シンはくすりと笑うと空を見上げる。
「月が綺麗ですね…」
ポツリと呟いた。
「今夜は雲りで月なんか見えねぇよ…」
「違いますよ…」
「は?」
「愛の告白です」
「月が綺麗だと愛の告白になるのか?」
真面目な顔で聞いてくる湊が可笑しくて可愛いくて思わず笑ってしまう。
「なにが可笑しいんだよ…」
今度はふてくされている。
不機嫌になる湊も可愛いと思ってしまう。
どんな表情の湊でも全てが可愛いくてたまらない。
そのくらい、この人が好きで仕方ないんだから本当にどうしようもない。
「かの文豪の言葉です」
簡単に説明するが
「そんなんじゃ、わかんねぇよっ」
湊は、さっぱりわからない。と言う顔をしている。
シンは湊を抱き寄せると耳元で
「I love you…」
そう囁いた。
「はあ?なんだよ…突然っ」
耳まで真っ赤になる。
こちらの意味はわかったようだ。
「さっきもそう言ったんですけど…」
「わかるかっ!回りくどい言い方すんなっ」
怒った湊も可愛い…。
冷えた湊の頬に触れ
「好きです…」
今度はわかりやすく告白する。
湊はシンの肩に額を付け繋いだ指を離すとシンの首を両手で抱きしめる。
「はじめからそう言え…ばか…」
照れている湊も可愛い…
たまらなくなって強く抱きしめキスをする。
雲の隙間から月灯りが漏れる。
「大好きです。湊さん…」
いつものシンの告白に
「……知ってるよ」
そう言ってにっこり笑う。
やはり1番好きなのは、この顔なんだと改めて感じた。
この笑顔をずっと見ていたい…。
そう心の底から想った。
もう一度手を繋ぐと家路を急いだ。
【あとがき】
イチャイチャ楽しい♪
番外編まだ書いてる途中です…あまりにも…なので言葉選びに苦戦中。笑
しばしお待ちを…
それでは、また次回作でお会いできますように…
月乃水萌
コメント
8件
今回もめっちゃいい話で最高すぎます🥰 湊さんの表情コロコロ変わるのんが分かりやすすぎます♡♡また楽しみに待ってます🧡