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リムル「ユキナ、今日は何する?」
リムルは執務の合間に、必ずそう聞いてきた
『街を見て回るの。新しいパン屋さんができたって 』
リムル「それ、昨日も言ってなかった? 」
『昨日は行列で買えなかったの~』
そんな他愛のない会話が、何故かこの国では重要だった。
優樹菜が歩くと、街が少しだけ柔らぐ。
緊張していた兵士が肩の力を抜き、忙しそうな商人が笑顔を見せる。
リムル「⋯⋯不思議だな」
リムルはよくそう呟いていた。
力ではなく、恐怖でもなく、ただ”存在”そのものが、人を繋げていく。
魔王の国テンペストにおいて、優樹菜は武器ではなかった。
彼女は日常だった。