zm視点
唐突だが、俺の彼氏のロボロは、俺のことが大好きだ。
土曜日の夕方。
ロボロが話しかけてくる。
話している間、幸せそうな表情を浮べるロボロ。それでも、心臓の音は異様に早い。
ロボロは俺の事をめっちゃ褒めてくれる。顔、性格、身体、声、動作、脳。ぜーんぶ好きなんやって〜。ふーん。
顔は?かっこいい?可愛い?幼い?大人っぽい? どんなところが好きなの?どんな顔だから好きなの?もっと、もっと詳しく教えて。
じゃあ性格は?ロボロから見た俺ってどんな性格?優しい?意地悪?強い?弱い?明るい?暗い?前向き?後ろ向き?楽観的?悲観的?主体的?積極的?真面目?誠実?努力家?負けず嫌い?論理的?好奇心旺盛?冷静?理性的?慎重?独創的?情熱的?外交的?頑固?意地っ張り?弱気?飽き性?それとも我儘?
自分から見た俺とロボロから見た俺は同じ生き物なのだろうか。
身体は?具体的にどこが好きなの?ちょっと筋肉質なところ?色白なところ?そういう外見的なところが好きなん?それか内蔵?肺?肝臓?腎 臓?小腸?大腸?虫垂?尿道?膀胱?上大動脈? 大動脈?下大動脈?横隔膜?甲状腺?食道?気 管?心臓?胃?それとも細胞?
じゃあ、じゃあ声は?俺ってどんな声?ロボロの好きな俺の声は、どんな声なの?俺の音域、ロボ 口は分かるの?平均より高い?低い?知ってるの?振動数は?多い?少ない?俺はロボロの音域知っとんで?それとも何?叫び声が好き?笑い声?泣き声?喘ぎ声?そういう特定の音が好き?
zm「……ぁ、」
またやってしまった。いつもやってしまう。
口から出た言葉に取り返しなんてつかない。
zm「ごめん」
嫌われる、ロボロに嫌われる。嫌だ、捨てないで、もっと愛して。
rb「可愛いなぁ」
でもロボロはそんな所も可愛いって言ってくれる。割れ物を触るように、頬を撫でられる。
rb「大好きやで。ずっとずーっとここで2人で暮らそうな」
毎日が幸せすぎて、死んでしまうのではないかと少し怖い。
時が止まって欲しい。一生この幸せを感じていたい。
最初の頃の俺なら、こんなの欲張りだって思うかな。ロボロと話せるだけでも幸せなのに、ロボロと同じ空気が吸えてるだけで有難いのに。
zm「うん、愛してる、大好き、一生捨てないで」
必死に言葉を繋ぐ。俺がどんだけロボロを愛してるか知って欲しいから。
多分6%くらいしか伝わってないだろうけど。
その6%の愛で、ここまで愛し返してくれるならそれでもいい。
rb「もちろん。」
首から繋がっているリードを離さないで。
小指に巻かれてる赤い糸を切らないで。
足枷の鍵を一生管理して。
俺の感情の主導権を握って。
お願いだから。
お願いだから。
zm「ロボロ…」
rb「どしたん?今日は不安になっちゃう日なん?」
優しい笑顔でそう聞いてくれるロボロ。その笑顔が欲しい。見るだけで幸せになれる、その麻薬みたいな笑顔が。
zm「ずっと不安なんよ、ロボロの事が好きすぎて怖い」
怖い。ロボロに捨てられるのが怖い。ロボロに嫌われるのが怖い。ロボロに飽きられるのが怖い。当たり前のこの日常が変わってしまうのが怖い。死ぬのが怖い。
もしこの恋が、ただの勘違いだったらと思うととても怖い。
怖くて怖くて、不安で仕方なくて。毎日布団で涙零して毎日愛して毎日不安になって偶にロボロに愚痴って毎日楽しくてでもその楽しいが本当の感情じゃない気がして気が気じゃなくて死にたくなってでも死にたくなくてどうしたらいいかわかんなくなってロボロに助けてって言ってこんな自分嫌いでいつかロボロからも嫌われるんじゃないかってそうなったら死ぬしかないしロボロに愛して貰えない自分なんて存在意義ないしもっと自分のこと嫌いになりそうで怖くて死んじゃいそうで何が何だかわかんなくなって一人でパニックになって馬鹿みたいで涙は止まんないし呼吸の仕方もロボロがいないと忘れちゃってもう独りじゃ生きて行けなくてだから嫌われないように捨てられないように頑張らなきゃなのに自分こんなだからどうしようもなくてだから優しいロボロに甘えちゃって幸せで幸せで変化が怖くて今が一番幸せでどうしたらいいかわかんなくて。どうやって生きてけばいいのかも、自分独りじゃわかんなくなっちゃった。
rb「うん、うん、うん。」
相槌を打ちながら、急かさず、背中をトントンされながら、話を聞いてくれるロボロ。やっぱり大好きで。好きで好きで仕方がなくて。
rb「ゾムは俺のことがめっちゃ好きなんよな?好きやで俺のために、俺だけの為にこんなに悩んで、涙流して。ほんまに可愛ええな」
愛しい物を見る瞳で見つめられる。脳内の快楽物質が分泌されていく。
好き、全部好き。でも、なんでこんなに好きなのかは分からない。いつ好きになったのかも、
何処から好きになったのかも思い出せない。一目惚れ?性格?ロボロが好きって言ってくれたから?全く記憶にない。
昔のことは覚えているのに、ロボロと恋人になるまでの記憶だけが切り取られている。
まぁ、別にどんな理由からであれ今こんなに幸せなら過去なんてどうでもいい。
zm「幸せや」
rb「俺も幸せ、愛してる」
幸せ幸せ幸せ幸せ。
またね
コメント
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神 過ぎ て なんて 言 っ て 良い の か 全く 分かり ません. その くらい 神 っ て 事 です. 何 食べたら こんな 神 作 思 い つく ん です か,,. 最高 です.有難う 御座い ます. 読ん でる 間 感情 移入 して しま っ て 泣いて しま い ました,,. 結構 ガチ です.
今回の作品もちゃんと性癖にブッ刺さりましたありがとうございます(?) 良いっすね…共依存的なの…