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5【ストーカー】
仕事から帰ってきたら─。
ユーキ「またある…」
ポストに赤い封筒。
これはほぼ毎日あった。過激的なファンからの手紙だ。
ユーキ「今日はなんだ…はぁ…」
紙には
ユーキくん今日のライブかっこよかったよ!
けど、なんで私のこと見てくれなかったの?
私ずっと呼んでたのに。
なんで?なんで?なんで?
次のライブはファンサお願いね!
とあった。
時には、もっとやばい手紙もあったりした。
ユーキ「…もうやめてよ…」
そう言いながらしゃがみこむ。
ユーキ「…いやだめだ…こんなんでくじけてちゃアイドルできない…ダンスリーダーだし…ちゃんとしなきゃ…」
そう自分を言い聞かせたが、体と心は限界だ。
ユーキ「…ふぅー…」
楽屋の扉の前で偽りの笑顔を作り、深呼吸をする。
ユーキ「おはよー!!」
タクヤ「おぉ…おはよ」
リョウガ「なんかいつもより元気じゃね?」
カイ「確かに?」
元気さを盛りすぎたみたいだ。
ユーキ「ギクッ…そうかな?」
シューヤ「まぁまぁ!!ほらあと1時間で本番だから急げユーキちゃぁん!!」
ユーキ「…あ!ありがと!!」
今のはシューヤ、助かった。
〜
本番終わり。
どうしてもあのことが忘れられない。
超特急のメンバーと居るのは楽しい。幸せだけど、…
どうしても…
ストーカーが怖い。
ユーキ「…はぁ…俺どうすればっ…」
本番終わりで話し声がざわざわと鳴り響く中で、ぽつりと呟いた──、つもりだった。
隣のタクヤに振り向かれ、じっと見つめられる。…めっちゃ見てくる。睨んでくる。
思わず目を逸らす。
タクヤ「…おい今目逸らしただろ」
そう言いながら顎を掴まれる。
ユーキ「…なっ?!……っ逸らしてない。」
タクヤ「逸らしてない???ほんと??」
ユーキ「…っ逸らしてないって!!」
そのまま勢いで楽屋から飛び出す。
タクヤ「っあ?!…ちょっ!!」
バンッ
ユーキ「…っ…はぁっ…」
思いっきり走った。
…もう身体は限界…いや限界をこえていた。
ユーキ「…はぁっ……」
…もう帰ろう。
そう思って足を踏み出した時だった。
コツッ
ユーキ「…?」
と、
自分の足音ではない音が聞こえた。
最初はただの通行人だと思って無視したが、
もう一歩踏み出すと
コツッ
と、確実に足音を合わせてくる。
ユーキ「…ひっ…」
その時、ユーキの身体は震えて…1番信頼している幼馴染にも助けを求めることも出来なかった。
ユーキ「…っ…」
…走ることにした。
ダンスリーダーということもあり、体力には自信がある。
そう決め、走る。
ユーキ「…っ…!!」
そうすると、後ろの足音も大きくなり、速くなった。
ユーキ「…っ、こわいっ……」
できるだけ本気で走り、家のマンションに着いた。
急いでボタンを押し、自分の部屋まで来た。
ユーキ「…っ…!」
すぐに家に入り、鍵を閉める。
ユーキ「…ふぅ…」
でも─、安心するのはまだ早かった。
ドンッ、ドンドンッ
ユーキ「…ひっ…?!」
ストーカー「ユーキくん、なんで?なんで私のことだけを見てくれなかったの?ねぇユーキくん」
ユーキ「…っりょっ…、がっ…」
必死に一番の友達に震える手で電話をかける。
リョウガ「んぁー、どうしたー?お前急に楽屋から、…なんか聞こえね?」
ユーキ「…いえっ、…ストー、…カーっ…」
リョウガ「…ちょっと待ってろ。警察に電話する。絶対助けるから。」
リョウガの声のトーンが一気に変わった。
ユーキ「…っ」
電話が切れた。
その瞬間、
ガチャ
ユーキ「?!」
急にドアがガチャといった。多分、鍵穴に何かを入れられた。
ユーキ「…へ、?」
ガチャガチャ、ガチャ、…
ユーキ「…うぅ…っ」
“ガチャ”
ユーキ「…え」
…ドアが開いた。
リョウガSide
ユーキから助けを求める電話が来た。
リョウガ「……行くしかない。」
家に行くことにした。
〜
リョウガ「……着いた…」
マンションに着いた。
ボタンを押そうとしたら…
ウー…
リョウガ「……あ」
リョウガ「ここのはず…なんですけど…」
警察と一緒にユーキの部屋に来た。
普通はストーカーが外にいるはず。
なのに
リョウガ「居ない…」
そしてドアが開いていた。
リョウガ「祐基!!」
過去最大の声が出た。
思うより、先に身体が動いていた。
ドアの先には、
包丁を持った女性と、上裸にされたユーキがいた。
リョウガ「……っ…お前!!」
ストーカー「……あーあ。…」
警察「そこの女!!刃物を離せ!!」
ユーキ「リョウガぁ…怖かったあ……」
リョウガ「ほんと、生きてて良かった、」
ユーキ「リョウガぁ…」
リョウガ「抱きつく前に上着ろ。笑」
ユーキ「…リョウガぁ」(着た)
リョウガ「はいはい…っ」
ユーキ「泣いてる?」
リョウガ「泣いてなっ…」
ユーキ「泣いてるぅ…笑」
リョウガ「お前…次なんかあったら俺とかに言えよぉ…じゃないと俺が襲う…」
ユーキ「何言ってんの?!///」
リョウガ「ユーキ照れてる…笑」
ユーキ「…っ照れてなーい!!」
リョウガ「…笑笑」
コメント
1件
うわっ…第16話、めっちゃ重かった…🥀 ユーキの“ちゃんとしなきゃ”って自分を追い詰めるところ、痛いくらい伝わってきたよ。 リョウガが電話のトーン一瞬で変えて「絶対助ける」って言ったの、かっこよすぎて泣きそうになった…最後の「泣いてるぅ笑」のやり取りで緊張がふわっと溶けた感じ、すごく良かった。 この二人の関係性、尊いよ…🤍