歌舞伎町クラブルージュを後にした風間は
藍原の姉のユリが入院する都内の病院にむかっていた。
長い間、植物状態になっていたユリが目覚めた、何がトリガーになったかはわからないが良き方向へ向かっていると確信していた。
病室の前には藍原とNAOTOと麗華がいた。
「先輩!」
藍原の話によると50代くらいの女性が珍しく面会にきていてその女性が立ち去った後に意識が戻ったと看護師から聞いたそうだ。
まだ安静が必要という事で皆で病室の外で風間をまっていた。
「誰なんだ、その人が何かしたのか?」
「誰だかわからないし、何がきっかけかもわからない。でもお姉ちゃんが目覚めてよかった」
たしかに藍原の言うとうりだ。これであの事件を追う必要がなくなるのか?いや違う、亡くなってしまったノエルの姉の塩乃木の無念は晴れるわけではない。
とにかくユリが話せる状態になるまで待つしかない。
「藍原、ユリに呪術をかけたのは。。。お前の親父さんだ」
風間は先程リキトから聞いた情報を藍原に打ち明けた。
「えっどう言う事?」
「あの現場にいた黒神会の1人が親父さんだったらしい、ノエルにはもう1人の呪術師が手をかけ、親父さんはユリに呪術をかけたようだ」
藍原は思考がショートして無口なまま立ちすくんでいる。
「お父さんとユリさんが現場で出会したのは偶然?」
NAOTOが会話にわって入る。
「リキトの話によると偶然だったみたいだ、俺の推測だが、植物状態にしたのは、死を偽装する為だったのかもしれない」
深夜の病院の待合室はさらに静けさをます。3人とも頭の中で状況を整理し始めた。
藍原がスマホを取り出し、電話帳をスクロールする。
麗華がスマホを持つ藍原の手首を掴む。
「楓さん、まだ早いよ、ユリさんと話してからにしよう」
麗華は藍原が父親に連絡しようとするのを悟り静止したのであった。
「楓ちゃん、麗華の言うとおり、もう少し待とう」
NAOTOが藍原を#宥め__なだ__#その場の空気は冷静を保たれた。
藍原の父親の正体と、50代くらいの面会にきた女性、真相にはまだ程遠く感じざるを得ない状況だった。