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「好きです、付き合ってください」
人生で初めての告白だった。
好きな人、というのもここまで情熱的になれる相手はいなかったし、永山くんが本当に好きだとわかったから…
誰にも取られたくない。本当に好きなんだ、叶えたいんだと家の黄色いチューリップに願った。
「…えぇ!!?俺?」
しばらく目を開きながら数秒間止まってしまった永山くんと目が合い、胸のドキドキが止まらなかった。
「好きって言ってくれて嬉しいんだけど、まだ名前もよく分かってなくて…渡来さんであってるよね?」
最後に自己紹介したとき、遠くからでも永山くんが笑顔で聞いてくれていることを思い出した。
「さっきは自己紹介、頷きながら聞いてくれてありがとう…」
急に目が合わせられなくなった私は苦しくて苦しくて仕方がなくなった。
近くで見たらめちゃくちゃかっこいい…
本当に大好きだと心の底から感じた。
「渡来さんは桜が好きって言ってたよね。今日見にいこうよ!」
私が…永山くんと、お花見が初デート…
まだ2時間ぐらい学校あるのに、死ぬほどドキドキが止まらなかった。
「じゃ、放課後階段の前で!」
元気すぎる永山くんは、あっという間にクラスのリーダーとなり係決めも全てがトントン拍子で決まった。
「こんなにスムーズだったのは今年が初めてかもしれない。みんなに期待しているよ!」
気難しそうだった担任もやたらと機嫌が良さそうで、永山くんの存在がものすごく大切なものだと感じた。
そんな彼を絶対に逃したくない。
私は彼に本気で夢中になっていた。
気づけば永山くんのことしか考えずに半日が終わった。
あっという間にお花見だ…
私はこんなことがあっていいのかと思うぐらい幸せな気分で、待ち合わせの階段に向かった。
「おーまたせー!!!」
キラキラの笑顔で登場した永山くんは、廊下1響く声で私の元へやってきた。
こんな人と隣に居られるなんて…この高校に頑張って入ってよかった。
受験勉強は辛かったけど、諦めずに頑張ってよかった。そうでしょ?
黄色のチューリップがそう問いかけているように感じた。