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「ああ・・・鈴ちゃん・・・あなた元気でよかった 」
弘美さんが私をみるなり泣きそうな声で言った
「電話であなたの前の夫が職場に現れたって聞いて、生きた心地がしなかったわ、何もされなかった?夕べも拓哉が電話したんだけど留守電ばっかりで・・・・ずっと心配していたのよ 」
私は顔が赤らむのを抑えようとした、二人の愛の時間には邪魔が入らないようにと、柚彦君が二人のスマホをマナーモードに切り替えてしまうのだ
もちろんそれに私も賛成していたが
私と弘美さんは久しぶりにショッピングモールに隣接するアジアンレストランで、注文したランチを待っている所だった
そして彼女は奈々さんも誘ったらしく、奈々さんは遅れるので先に自分の分も注文しておいてくれと伝えてきた
弘美さんが奈々さんの好みを知っているので、彼女の好みのランチを注文した
義姉が元気なことは目に見えてよくわかった、育児休暇から最近職場に復帰した彼女は、いつもどおり弁護士らしい着崩れしないブランド物のビジネススーツを身にまとい、淡い色なのに汗染みはおろか座りシワひとつない
こういうスーツを彼女は無造作に持っているのだろう、黒に近い茶色の髪は完璧にセットされていて、慎ましやかでなおかつ高価な宝石が耳にも指にも光っている
一方私は厨房の制服以外は、最近はもっぱらデニムにシャツでカジュアルだ、俊哉と結婚していた時はいつも身なりに気を使ってスカートに地味な服装だったが
今のカジュアルで気を使わない服装が自分に合っていて気に入っていた