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柚彦君といればいつでもありのままの姿でいられる
「私は大丈夫」
心配そうな彼女の気持ちをやわらげようと、私は微笑んだ
「あなたから電話をもらってから色々考えてたんだけど、離婚後の「接近禁止令」は半年しかもたないのよ、それ以上は元夫から、あなたに法的には近づかせられない事は無理なの・・・・たとえ警察を呼んでも、厳重注意程度で終わるでしょうし」
彼女が嫌悪感に身を震わせながら、鞄から書類を取り出して忙しく説明してくれる
「あの男がまだあなたに執着しているなんて、やっぱり拓哉と考えてたんだけど・・・鈴ちゃん・・・住居を変えるしかないわそして仕事も私のビルの2階の部屋がシングル様に・・・ 」
「それは駄目!今の家と職場が気に入っているの」
思わず強めな声が出てしまった
「何がダメなの?ハーイ、お二人さん 」
私の後頭部で声がした、私が返事をする間もなくふわっと奈々さんの香水の良い香りがした
奈々さんが笑顔で言葉を続ける
「遅くなってごめんね、午前中のクライアントが思ったより時間がかかってしまって 」
「あのミスター文句タラタラさんね」
弘美さんが面白そうに笑った
「あら!彼良い所もあるのよ、ただ示談金に対して少しばかり執着してるだけ 」
「少しどころじゃないわよ」
弘美さんが顔をしかめた