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藤澤side…
僕らがセットを組み終えて座ると、白い光で視界が包まれた。思わず目を閉じてゆっくり開けると
元貴が居た。
大森side… 藤澤の夢に出た日
気がつくと真っ暗な空間に居た。僕は本当に、この世から居なくなってしまったのだ。
人の気配を感じ後ろを向くと、知らない人が居た。顔は羊の骨と毛のような物で覆われて見えない。
?)初めまして。よく頑張りましたね。そんな貴方に、もう一度だけチャンスを与えましょう。
チャンス?何のことだ?そもそもこの人、誰だ?
?)私?私はもう一人の貴方。
え、心の声読まれてる?怖すぎんだろ。
まぁいいや、それよりチャンスって何だ?
?)貴方が此処に居るのは何か心残りが有るから。その心残りを無くす最後のチャンスです。
なるほど…。僕の心残りは…
若井と涼ちゃん。あの二人だけだ。二人に謝りたい。何も言わなくてごめんって謝りたい。
?)では、チャンスをあげましょう。御二方は今眠りについております。予告をしては如何でしょう?
大)そこまでさせて頂けるのですね。では、お言葉に甘えて。
?)いってらっしゃいませ。
藤澤の夢で予告を終え立ち去ると、またあの真っ黒な空間に戻ってきた。
?)おかえりなさいませ。夢の内容と貴方の望みはもう存じ上げておりますので安心してください。
大)あ、ありがとうございます?
?)では、明後日の午前2時30分頃、もう一度貴方を現世に戻してあげましょう。但し、戻せる時間は限られております。15分とさせて頂きましょうか。
大)分かりました。ありがとうございます。
?)では。
そこで記憶が途絶え、気づけばライブハウスに。目の前には二人が居て、二人とも同じように目を見開いて口をぽかんと開けている。
涼)元貴……!
なんで、と言いたげに涼ちゃんが呟く。にっこりと微笑んで、二人に駆け寄る。
足があって走れる。二人を抱きしめると温もりが感じられる。人間として戻ってるんだ、!
大)二人とも、本当にごめん。
若井が涙で目元を真っ赤にしながら首を振る
若)なんで元貴が謝るの、!俺らこそ気づけなくてごめんね、
涼)そうだよ、元貴は何も悪くない。それに、ひとりで病気に立ち向かって、耐えていたんだね。偉いよ。よく頑張ったね。
そういって涼ちゃんが僕の頭を撫でてくれる。
涼)僕さ、本当は気づいてたんだ。元貴がライブの練習してた日たまたま僕も暇だから下見に行ったら元貴が必死に練習しててさ。周りに光がたくさん飛んでたんだけど、夢か幻覚かなって思って気にせずに帰っちゃったんだ。本当にごめんね。あの時僕が元貴に声かけてたら、元貴はひとりで苦しまなくても良かったのに…。
大)そんなに自分を責めないでよ。涼ちゃんも若井も何も悪くないよ。誰も何も悪くない。ね?
三人で抱き合って涙を流した。僕、ちゃんと愛されてたんだ。
若井がふとスマホを取り出す。そしてカシャッとシャッター音を鳴らす。
若)元貴今カメラに映るのかな、俺らにしか見えないとかなのかな?
写真フォルダを見てみると、若井と涼ちゃんしか映っていない。二人は残念そうに肩を落とす。
大)まあまあ、とりあえずさ。
『続き、やろうよ。』