テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

待ち合わせ場所は、駅前のロータリー。
時間より早く着いたのに、すでに先輩はいて、スマホをいじりながら風に髪を揺らしてた。


(また、かっこつけて…)


そう思ったけど、胸の奥はうるさくて仕方ない。


「――よっ、ナマエ」


出水先輩が、手を軽く振って現れる。


『……って、早いじゃん。まだ5分前だよ』


「ナマエが誘ってくれたんだから、遅れたら失礼でしょー?」


『へえ、意外と真面目なんだ』


「ひどくない? 一応これでも先輩だよー?」


ナマエは笑いながら横に並ぶ。その距離が、少し近い。

でも出水は、何も言わない。


くすっと笑う声。

それだけで、ナマエの頬はほんの少し熱を持った。


モールの入り口に入ると、冷房がひやりと肌を撫でた。


「とりあえずさ、服見る?」


『…うん。ついでに先輩のコーディネート、してあげよっか?』


「え、俺の?」


『似合いそうなの選んであげる。女子目線で』


「じゃあ、期待してます、ナマエ様〜」


『様はやめろ、様は』


服屋の鏡の前。

出水が試着室から出てきて、ナマエが選んだTシャツを着てくれる。


「…どう?似合ってる?」


『……うわ、なんか、腹立つ』


「え?なんで!?」


『似合いすぎてムカつく。ていうか、さわやか彼氏感出てる』


「彼氏……?」


一瞬、沈黙。

しまった、って思ったけど、先輩はただ笑って、


「なら、彼女のナマエちゃんも見せてよ?」


『は?却下。“まだ“彼女じゃないです〜』


「えー、ずるくない?俺だけ着せておいて?」


『じゃあ、先輩が選んで』


「おっけー。じゃ、似合いそうなの見つけるからちょっと待って」


「好き」が言えないふたり

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

30

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚