前回とあまり関係ないです
アメロシ
地雷の方はここでさようなら
「おい、ロシア!寒くねえのか?」
俺は冬の街を歩きながら、隣を歩くロシアに声をかけた。息を吐けば白くなり、手袋越しでも指がかじかむ寒さ。だが、ロシアはいつもと変わらない表情で、首元に巻いたマフラーを少し直しただけだった。
「別に。これくらい普通だ」
「いや、普通じゃねえだろ!寒すぎて俺なんか凍え死にそうなんだけど!」
俺は両手をこすり合わせながらロシアの顔を覗き込む。でもこいつは微塵も寒そうなそぶりを見せない。まるで氷の国の王様だ。
「お前が寒がりなだけだ」
「うるせえ!だったら、お前のそのマフラー、俺にも貸せよ!」
俺がロシアのマフラーを引っ張ると、ロシアは少し目を細めた。怒るかな、と思ったけど、意外にも抵抗しない。それどころか、少し考え込んだ後、静かにマフラーを外した。
「……ほら」
「えっ、本当に貸してくれるのか!?」
ロシアがマフラーを俺の首に巻いてくる。ほんのりと温かくて、かすかにロシアの匂いがする。
「お前、意外と優しいんだな……」
俺がそう呟くと、ロシアはわずかに眉をひそめた。
「優しいわけじゃない。お前がうるさいから黙らせるためだ」
「それ、絶対嘘だろ!お前、俺のこと好きだから貸してくれたんだろ?」
俺がニヤリと笑うと、ロシアは少しだけ視線をそらした。
「……お前が寒がってるのを見てるのが、少し嫌だっただけだ」
その一言に、俺の心臓は一気に跳ね上がる。くそ、こいつ、やっぱり可愛すぎる。
「ロシア……もういっそ、俺のこと抱きしめて温めてくれよ……」
「それは断る」
「なんでだよ!?」
俺の抗議を無視しながら、ロシアは静かに歩き出す。その背中を追いながら、俺は改めて実感する。恋をしているのだと