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そあふぃー
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雨は夜になっても勢いを増すばかりで、激しい水音が窓ガラスを叩き続けていた。
昼間の不快な湿気と、近藤の言葉から生まれた胸の澱みは、どれだけ時間を置いても消えてはくれない。それどころか、狭い自室でじっとしていると、どんどん頭の中を支配していく。
(なんで……僕、あんなにイライラしてんだろ……)
鬱屈とした思考を振り払うように、柊吾はイヤホンを耳に押し込み、スマホの画面を開いた。過去に何度もお世話になっている、お気に入りの動画。画面の中で男優が誰かを抱いている。
(……やっぱり、似てる)
眼鏡の奥の切れ長な目元、低く通る声、シュッとした輪郭。
以前からどこか雰囲気が似ているとは思っていた。けれど、瑞樹と出会い、あの声と温度を間近で知ってしまった今――その「似ている」という事実が、いつもとは比較にならないほど強烈な毒となって柊吾の興奮を煽り立てる。
(ダメだ……そんなこと、考えちゃダメなのに……っ)
思考とは裏腹に、下腹部がじりじりと熱く痺れていく。
柊吾は引き出しの奥から使い古したバイブを取り出すと、震える手でローションを塗り、己の奥へと押し込んだ。
「あ……っ、ん……っ」
途端に体内を突き上げる異物感と刺激。真理子が隣の部屋にいる手前、声を出すわけにはいかない。柊吾は口元を腕で固く覆い、漏れそうになる声をもみ消した。
けれど、頭の中を埋め尽くしていくのは、画面の男優ではなく黒瀬瑞樹その人だった。
(黒瀬さん……黒瀬さんに、こんなこと……っ)
もしも、あの低く穏やかな声で名前を呼ばれたら。
あのスマートな手で抱え込まれ、奥の奥まで容赦なく貫かれたら――。
『柊吾さん』
脳裏で妄想の瑞樹が囁く。いつもの優しい笑顔のまま、自分をぐちゃぐちゃに暴き、壊していくイメージ。
「っ……ふあ、く……っ! むり、黒瀬さん……っ!」
抑えているはずの口元から、密やかな悲鳴と甘い喘ぎが漏れ出してしまう。
押し寄せる強い快楽と、「隣の男性にこんな欲望を抱いている」という猛烈な背徳感。二つの波に呑み込まれ、柊吾の身体はバイブの振動とともに激しく跳ね上がった。
「んんっ……!!」
達した瞬間の強い収縮が体内を襲い、限界まで跳ね上がった熱を一気に吐き出す。
荒い息を吐き出しながら、柊吾は敷布団の上にがっくりと伏せた。
静寂が戻った部屋で、激しい羞恥と自己嫌悪が押し寄せてくる。
(僕……なんてこと……黒瀬さんで、こんな……っ)
全身から嫌な汗が滲み出し、息が整わない。
自分のしでかした背徳の重さに押し潰されそうになりながら、必死にティッシュへ手を伸ばした、その時だった。
――ピコン。
枕元に転がっていたスマートフォンが、小さく震えて画面を明るく照らした。
緑色の通知アイコン。
そこに表示された送信者の名前に、柊吾の息がぴたりと止まる。
『黒瀬瑞樹』
『雨がかなり強くなってきましたが、お母様は落ち着いていらっしゃいますか? 柊吾さんも、眠れていますか?』
「っ……!!」
果てたばかりの身体、奥に残る異物感と熱。
ティッシュを握りしめたまま、柊吾は弾かれたようにスマホから視線を逸らした。
つい数秒前まで自分があの人を思い浮かべ、どんな妄想をして身を悶えさせていたか。
画面から発せられる光が恐ろしくて、返信なんてとてもじゃないが打てない。柊吾は真っ赤になった顔を両手で覆い、冷めない熱と狂おしいほどの動揺に、ただ暗闇の中で小さく震えることしかできなかった。
それでも、通知の光が消えた後も、画面に残る『黒瀬瑞樹』の名前から、目が離せなかった。
コメント
1件
やばいやばい……このエピソード、柊吾くんの心情が生々しすぎて胸がギュッてなったよ。♡♡♡使ってるシーンもすごいリアルで、背徳感と快楽の狭間で揺れる感じがめっちゃ伝わってきた。最後の瑞樹さんからのメッセージ、タイミングえぐすぎるでしょ……! これからどうなるんだろう、続きが気になりすぎる🔥