💛「寝てる邪魔しましたね」
💙「それは別に。お前こそなんでこんなとこで」
💛「俺見た目で怖がられてて、騒がれたりして面倒くさいんでここに逃げてました」
💙「ふーん、お前別に怖くないのにな」
岩本がきょとんとした。
💛「そう思いますか?」
💙「ん。だって話しやすいし」
途端に岩本が破顔一笑した。
目を細め、口角の上がった優しい笑顔。
ファーストインプレッションとの差が大きすぎて戸惑う。
気持ちが変に絡まりだした頃、予鈴が鳴った。
💛「あ、俺戻ります」
岩本は授業はちゃんと受けるらしい。
💛「…また来ていいですか」
💙「いいよ、でも煙草はやめろ」
💛「やめます」
あっさり答えて、岩本は去っていった。
すっかり目が冴えたけど音楽を聴いたりしてやり過ごす。
ガヤガヤし出した雰囲気に授業が終わったのを知り、出入り口のドアを開けると今まさに岩本が登ってこようとしていて鉢合わせた。
💙「どした」
💛「一緒に帰りません?」
さっきまでドーベルマンみたいだと思っていたのに、今目の前にいるのはさながらゴールデンドゥードル。
期待に満ちた目で俺を見る。
こんなの断れるか。
💙「…いいけど」
💛「やった!」
あのいかつい顔をくしゃくしゃにして笑われると調子が狂う。
並んでみると岩本は俺より背が高く、身体もがっしりしていてやはり後輩には見えなかった。
しかもこの見た目で甘いものが好きだと言う。
誘われるままに寄り道をして、わらび餅ドリンクを買って一緒に飲んだ。
ふわふわした気持ちで帰宅した。
何だか久しぶりに心が温かい気がする。
岩本、強引だけど怖くないし不思議なやつ。
また来たいと言っていたから、いつも通り屋上で寝てたらまた会えるだろうかと淡い期待を抱いて、ふと楽しみにしている自分に気がつき頭を振る。
💙「…あほらし」
人と関わったって良いことないのに。
それでもこの高鳴りを抑える事はできず、枕の下に潜り、更に布団を被って家族の生活音を遮断しながら無理やり眠りについた。
コメント
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気持ちが絡まりだす、とか表現が本当に匠。知らない日本語覚える。 そして、この回から既に恋してた💙
まー確かに始めて会う人は顔から入るからね~ひーくんが怖がられるのわかるわ笑だから屋上に来てたんだね それで屋上でおサボり中のしょっぴーと出会ったんだね やっばりアオハルは(♥ω♥*)キュンキュン♡*゜するねー
めっちゃいい…青春すぎる😍✨