テラーノベル
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スタート!
夕方、家の電話が鳴った。
「はい、目黒です」
出たのは**大介ママ**。
少し間があって、その表情が変わる。
「……分かりました。すぐ迎えに行きます」
電話を切ると、ちょうど玄関から帰ってきた**れんパパ**が顔を上げた。
「どうした?」
「保育園から。双子、二人とも熱が出たって」
一瞬で空気が張りつめる。
保育園では、
**りょうた**がぐったり椅子に座り、
**しょうた**は先生に抱きついていた。
「すみませんっ」
先生が申し訳なさそうに言う。
「午後から急に熱が上がって…」
「りょうた」
「……まま……」
料理好きで元気なはずの兄が、力なく大介ママの服をつかむ。
「しょうた」
「……シナモ……」
弟はお気に入りを握ったまま、目を潤ませていた。
家に着くと、すぐ布団を敷く。
「二人とも、横になろう」
「いっしょ……」
「うん、一緒ね」
双子は手をつないだまま、同じ布団に入った。
夜になり、熱は下がらない。
「……インフル、かもな」
れんパパが小さく言う。
翌朝、検査結果は**陽性**。
「りょうたと、しょうた、二人ともです」
その言葉に、家族全員が息をのんだ。
「じゃあ、俺たち近づかないほうがいい?」
**ひかる**が聞く。
「うつると困るし」
「うん、部屋は分ける」
大介ママが即答する。
「でも、様子はちゃんと見るから」
「ぼく、行っちゃだめ?」
**こうじ**が不安そうに聞く。
「……さみしい」
「今日は我慢ね」
りょうへいが優しく言う。
「あとでビデオ通話しよ」
夜。
「ままぁ……」
りょうたが小さく呼ぶ。
「ま…ま…?…」
大介ママはすぐ隣に座る。
「ここにいるよ」
「しょうた、だいじょうぶ?」
「……うゅ……」
れんパパはドアの外から、そっと声をかける。
「二人とも、強いな」
「はやく、げんきになる……」
「なるよ。絶対」
数日後。
熱が下がり、二人は少しずつ元気を取り戻す。
「おかゆ、つくる!」
「まだダメ」
「えー!」
「シナモ……」
「もうちょっと我慢」
その声を聞いて、家族全員がほっと息をついた。
「……やっぱ、いないと静かすぎ」
たつやがぽつり。
誰も否定しなかった。
小さな熱は、
この家がどれだけ“つながっているか”を
はっきり教えてくれた。
コメントよろしく!
コメント
2件
熱出しちゃったゆり組が可愛いすぎる…🫶