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「まぁ、とっても可愛らしくて」
「これは、お可愛らしい」
菜子さんと源治さん、それぞれの言葉に、「ありがとうございます」と、お礼を返す。
「さっきも、お父さんにたくさんそう言ってもらって。みなさんから可愛いって投げかけられて、本当にこの子たちは幸せだなって」
私の言葉を受けて、「当たり前じゃない」と、菜子さんが笑顔になる。
「幸せに決まっているわ。だってあなたたちはもちろんのこと、私たちも幸せを見守っていくんだから」
ひとりひとりの顔をぐるりと見回す菜子さんに、お父さんも源治さんも大きく頷いて見せる。
「嬉しいです……」
感無量で声に出すと、
「幸せに思います」
彼が微笑んで口にして、寝台に半身を起こす私の手を陰でそっと握った。
「おめでとう、二人とも。これからも子供たちと幸せであれ」
「おめでとう、さやちゃん、貴仁君。この子たちといつまでも幸せにね」
「おめでとうございます、お二方とお子さまが、末永く幸せでありますように」
思い思いの祝福の言葉に包まれる中、彼が私にだけ聴こえるよう、低く声を落として囁きかける。
「子供たちが生まれる前に、きっと幸せにすると、私が誓ったのを、憶えているだろうか」
「もちろんです」と、頷く。
「では今もう一度、改めて誓いを立てよう──君を、家族を、永遠に幸せにすると──」
式の時のように、「はい……」と、感極まって彼へ答えると、この先には、KATZEとKOOGAの新たな提携に、私のブレンドした香水”オリエンタル・プリンス”の発売も待ち受けていて、未来は明るいものでしかなくてと感じられた。
声には出さずにもう一度、『はい、貴仁さん……』と、胸の奥で頷く。
私も、愛しい子供たちへの幸せを、心から誓って……。
そして、変わらないときめきの甘い恋を、あなたへ──
終──
※この後は、番外編へ続きます。