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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

211 - 番外編 貴仁さんと双児の結と誓と私の、スゥイートホーム EP.1「結と誓と、パパとママと」①

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2025年06月29日

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「ただいま」


「おかえりなさい」



休日に出社をしていた貴仁さんが、早めの帰宅をして、広間で出迎えた。


ベビーバウンサー(揺りかごのようにも使えるベビー用チェアーの一種)に寝かせて、窓辺で日なたぼっこをさせていた結と誓が、彼に愛らしい笑顔を見せる。


「いい子にしていたか?」


中を覗き込んで、彼が軽く手で縁を揺らすと、子どもたちは『いい子にしていた』とでも答えるかのように、ますますはしゃいだ笑い顔になった。


「あなたが帰って来たのが、うれしくてしょうがないみたい」


「そうか、それは光栄だな」


貴仁さんが笑って言い、「ありがとう、結に誓」と、そのぷくぷくとふっくらしたほっぺに、チュッとキスをする。


「……もちろん私も、あなたの帰りがとってもうれしいのだけれど」


つい口からこぼれた呟きに、


「ありがとう、彩花も……」


応えた彼につと顎先が引き寄せられ、同じようにほっぺたにチュッとされて、一瞬で顔が火照った。


彼の着ているスーツに手を掛け、肩から脱がそうとすると、


「悪いな」と、声がかけられ、「ううん」と、首を振った。


「こういう些細なことも、あなたと家族でいる幸せなんだもの」


「家族か……」と、彼が感慨深げに口にする。


「家で待っていてくれる家族がいると思えるだけで、私も幸せで仕方がない」


彼の言葉に、幼い頃に寂しい想いを抱えていたのだろうことを、改めてかえりみる。


だからこそ、こうして彼を家で待てることが喜ばしくて、尚かつ子どもたちを授かって、賑やかな家族でいられることが、ただただ幸せでしかなかった。

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