「うっ、うん〜。しき…りん?」
「おう、起きたか。卵粥食べられそう?」
「うん…」
そう言ってしきりんは小鍋をそっと置いてくれた。
「うーん、熱はさっきよりは下がったみたいだな。良かった。」
「うん、ごめんね。迷惑かけちゃって…」
そう言ったらしきりんは俺のでこに手を近ずけて、軽くデコピンをした。
「うっ、え?なんで?」
「まったく…迷惑も何も俺がやりたいからやってるだけだ。迷惑なんで思ってねぇよ。」
「…ありがとう。」
「はじめからそう言え。」
そう言って俺はしきりんが作った卵粥を食べた。暖かい。いつも、言葉も、料理も心が満たされるような気がする。軽くなったような気がする。
「四季、校長からお呼び出しだ。」
そう言って自室に担任が現れた。
「マジ?じゃあ、俺行くわ。ちゃんと安静にしてろよ。」
「うん、ありがとう。」
そう言ってしきりんは部屋を出た。
しきりんは入学当時からも校長から呼び出しがよく出ている。ずっといたダノッチでも知らないこと…それを校長が知っている。しきりんの過去は知らない。知っているのはダノッチとまっすーの過去のみ。しきりんは話そうとしない。知ってるとしたらダノッチの話から出てきた程度だ。俺は知りたい。しきりんが何を隠し、何を背負って、何を思って戦っているのかを。でも、俺たちはまだ、その領域を達していない。なぜならしりきんは少しだけ距離を置いてるからだ。俺たちが1歩近ずいたら、しきりんは1歩距離を置く。なぜだかわからない。いつも本音を言ってくれるが、本心をさらけ出そうとはしない。いつかわかるといいな…
コメント
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ちょ、まて。 粋可、説明上手すぎねっ!? ちょ〜、分かりやすいんやけど!?!? てか、今回もマジ最&高☆
皆を頼れっ…(切実な願い)
皆を頼ってくれたらいいね~。四季君優しい~!!卵粥美味しそ~(´▽`)ノお裾分けもらえないかな?ww