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ゆー

10
俺は群れるのが嫌いだ。
だって、失った時に怖いから。
だから俺は、静かに森の奥の花畑で過ごしていた。
誰もくるはずがなかった。
魔獣が出ると有名な森の中をわざわざはいってくる者なんていないのだから。
…
フサッ
だれかが草の上を踏んだような音がした。
「わっ…」
ドサッ
だれかが草の上で転んだ音がした。
「いたぁ…。」
助けるつもりなんてなかった。
でも咄嗟に、手を差し伸ばしてしまった。
「…大、丈夫?」
「…?誰かいるの、」
俺より一回り小さい少年は俺とは90°違う方向を向いて言った。
「えっとー…俺、こっち。」
「こっち…、?」
そう言って少年は周りをキョロキョロと見渡す。
「もしかして…目、見えない?」
「あ、そうだ…言うの忘れてた。」
まじかよ…。
重要すぎるだろ。
「ふふ。」
「なんだよ?」
「なんか、優しいそうだなぁって思って。」
「…は?」
意味がわからない。
さっきあったばっかりなんだが?
「僕さ、目は見えないけど、相手のオーラ?っていうか…そういう感じのが見えるの。」
「…それで?」
「貴方はねー…、すっごく透き通ったピンク色。」
「色を言われてもわからないんだが…。」
「んー…俺もあんまりわかってないんだけどね?
僕が今まで見てきた中でピンクは優しくて、あったかい人が多いから!
きっと貴方も優しいんだよ。」
「…そうか。」
「照れてる?」
「照れてない。」
「照れてるでしょ?」
「照れてないから!」
「あははっ!」
完全に弄ばれてんな…、
こいつ…。
でも、なぜか…楽しい。
「…笑ってる?」
「なんで分かるんだよ。」
「オーラがちょっと変わったんだ。
オレンジになった。」
「オレンジになると笑ってるのか?」
「そうだよ。
お母さんも、お父さんも、俺が花をもっていったら笑ってくれるの。
その時にオレンジになってたんだ。」
「…そう、か。」
「…。」
「そういえば、名前は?」
「…僕の名前は音。狐!13歳!
一応、頑張ったら人間に化けれるんだって。」
「音、な。わかった。
俺の名前はMEN。28歳。俺も狐だ。」
「じゃあ、MENさんは化けれるの?」
「…化けることもできる。」
「他には?」
「…音。」
「なに?」
「俺は、相手の名前さえ知ってれば相手の記憶を消すことができる。」
「…僕との思い出、消すの?」
「まだ消さねぇ。でも、いつかはな。」
「いやだよ。」
「…あのな、俺にも事情があるんだ。」
「それでもいやだ。」
「…俺は大切な人を作るたび、その人達が死んだ時のつらさが増すことに気づいたんだ。」
「…。」
「お前とは、『転んでいたところを助けた。』それだけの関係でいいんだ。」
「よくないよ。」
「…。」
「僕にとってもうMENさんは大切な人だし!
大切な人の記憶を失うなんてそんな酷い事ないよ。」
「…それでもだ。」
「じゃあ!」
「?」
「僕はMENさんを倒せるぐらい強くなるよ。
そしたら死ぬ可能性なんてなくなる。
それでいいでしょ?」
「…どうせ、ダメって言ってもやるんだろ?」
「そりゃ、勿論だよ。」
「わかったよ…。」
「一生一緒だからね!」
「はいはい。」
「ふふ♪」
今日はMENさんと出会えてラッキーな日だなぁ。
花畑を探して森の奥まで入っていっちゃうなんて…不覚…。
でも…そのおかげで綺麗な花もつめたし、
MENさんにも会えて、
無事に家にも帰れた。
「早く家に帰ってこの花飾ろーっと!」
「ただいまー!」
「おかえり。今日はちょっと遅かったね。」
「ふっふっふ…。見てこれ!新しい花!」
「まぁ綺麗!それに、いい香りね。
これはどこでつんできたの?」
「森の奥まで行ってきたの。」
「そう。迷子にならなかった?」
「なってないよ!優しい狐さんにあって案内してくれたから。」
「ふふ。良かったわ。早く晩御飯を食べましょう。
それに今丁度、騎士の皆さんのニュースをやっていたの。」
「ほんと?聞く!」
ニュース〚本日朝8時に、魔物が出たとの報告がありましたが、無事に騎士団長であるドズル団長が討伐しました。〛
「すごいなぁ…。」
ニュース〚この事に対し、ドズル団長は
「最近は団の戦闘力が全体的に下がってきており、討伐に時間がかかってしまった。だからこそ戦闘力を上げるため、そして団員の意欲を上げるため、僕を外したいわゆる【四天王】をつくりたい。」
とコメントしました。
詳細については後日発表する予定で_。〛
「入ってみたいなぁ…。」
「はっはっは。音にはまだ早いかもなぁ。」
「あ、お父さん!帰ってきてたの?」
「あぁ。さっきな。
音はもう少し大きくならないと入れないかもしれないな。」
「えー。」
「危ない仕事だしね。
まだ早いかしら。」
「お母さんまで…。」
「夢を否定してるわけじゃないのよ?
でも、貴方はまだ、目の前のことを考えて、生きてくれればいいの。」
「…はーい。」
「晩御飯できたわよ〜。」
「じゃ、手を合わせて…。」
『いただきます!』
風がふいて、耳を揺らす。
「過去を消せても、未来を作んなきゃ意味がねぇんだよ…。」
俺の呟きは誰にも聞かれることなく、風に消えていった。
本編7話+番外編!
ずっとあたためてたシリーズを
出します( ・ิω・ิ)
設定ミスで書き直しました…すみません。
コメント
1件
えび天さん、第1話読了しました〜!!🌸✨ もう冒頭の「群れるのが嫌いだ…失うのが怖いから」ってところから刺さりまくりでした😭💔 なのに音くんが出てきてから空気がふわっと変わって、オーラの色みたいに会話が優しくて温かくて…「優しそう」「ピンク色」からの流れ、めっちゃエモいです🥺💕 「一生一緒だからね!」って音くんが言い切ったシーン、心臓ぎゅってなった〜!!2人の距離感がもう尊い…次の話も絶対読みます!!🔥