テラーノベル
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ニ/ー/ト/部/様 K/U/N/様
の非公式二次創作作品となっております。
この話は誰の視点でも読めます。
(🕶さんでも、🐒さんでも、⚡️さんでも。)
※キャラ崩壊⚠
※儚い系です
この話はニ/ー/ト/部/様とあまり関係はございませんが、
次の話からはちゃんと関連付けていきます。
風が、花を揺らしていた。
透けるような白い花びらが、空の色を薄くまとって、
触れたら壊れそうなくらい、静かに揺れる。
その中に一人で立っていた。
ポケットの中で、スマホが沈黙している。
通知は切ってきた。音も、振動も、全部。
誰にも呼ばれない場所が、欲しかった。
「……うるさかったな」
小さく呟いても、返事はない。
最近、何をしていても、どこかで音が鳴っている気がしていた。
笑い声も、会話も、全部ちゃんと好きなはずなのに、
頭の奥に残って、消えない。
考えなくていいことまで、ずっと続いてしまう。
だから、ここに来た。
風が吹く。
花が一斉に揺れて、その音だけが残る。
ざわ、とも、さわ、ともつかない、曖昧な音。
それを聞いていると、
さっきまで頭の中にあったものが、少しずつ遠ざかっていく。
「、別に嫌いじゃない、けど…」
ぽつりと落とした言葉は、誰にも届かない。
あの場所も、あの時間も。
全部、ちゃんと大事だと思ってる。
でも。
ずっとそこにいるには、少しだけ重かった。
足元の草が揺れる。
視線を落とすと、小さなつぼみがいくつも並んでいた。
まだ咲いていない花たち。
その中に、一つだけ、少し開きかけているものがある。
風に揺られて、迷っているみたいに。
「…急がなくていいのにね。」
誰に向けたのかも分からないまま、そう言った。
自分かもしれないし、
あの場所にいる誰かかもしれない。
あるいは、全部。
しばらく、その場に立ったまま、風の音を聞く。
何も考えない時間は、思っていたよりも難しくて、
それでも少しずつ、体の奥の力が抜けていく。
完全には消えない。
でも、それでいい。
抱えたままでも、こうして離れる時間があれば、
また戻れる気がする。
ゆっくりと息を吐いた。
「、、もうちょっとだけ。」
誰にも聞かれない声で、そう言って、
そのまま空を見上げる。
花は、変わらず揺れていた。
同じ場所にあるのに、同じ形にはならない。
その不安定さが、少しだけ救いになる。
きっと、あれも同じだ。
変わらないようで、ちゃんと変わっていく。
そう思えたら、少しだけ軽くなる。
風がまた吹いた。
目を細めて、それを受ける。
ここに来た理由は、まだちゃんと消えていない。
でも、来る前よりは、
ほんの少しだけ、呼吸がしやすくなっていた。
#二次創作
#50人
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