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🌻→『』
マフィアパロ
※キャラ崩壊⚠
※口調若干違うかも?
買い物帰り
店を出ると、ザーザーと雨が降ってきていた。
「…雨?」
偶然に、折り畳み傘が鞄の中に入っていたからそれを使う。
雨は、思っていたよりもしつこかった。
ぽつぽつ、なんて可愛いものじゃない。
傘を叩く音が、やけに耳に残るくらいには強い。
ビニール袋を片手に、KUNは少しだけ顔をしかめた。
「…タイミング悪いな」
本来、買い物はうるんるが担当だ。
けど今日は、うるんるが仕事で不在。
仕方なく引き受けただけ。
ただそれだけのはずなのに、妙に疲れる。
足元の水たまりを避けながら、いつもより静かな帰り道を歩く。
『……あれ?』
ふと、聞き慣れた声が横から飛んできた。
『KUNさんやん』
顔を上げると、見慣れた姿。
傘を片手に、少しだけ濡れた髪のまま立っている。
『なにしてんすか、こんなとこで』
「買い出し」
『え、珍しいっすね。うるんるさんは?』
「いない」
『あー、仕事か』
ひまじんは一瞬で納得したように頷いた。
『代わりに行かされてるってことすね』
「まあな」
短い返事。
それでも、いつも通りのやり取りだった。
『てか』
ひまじんが少し歩幅を合わせてくる。
『一人で帰るんすか?』
「そうだけど」
『いや、荷物あるやん』
「持てる」
『そういう問題ちゃうねん、w』
ひまじんは軽く笑いながら、KUNの隣に並ぶ。
『一緒に帰りますよ』
「勝手にしろ」
『じゃあ着いてきますわ』
テンポよく話が進んでいく。
断る理由も特にないまま、二人は並んで歩き出した。
しばらくは、雨音と足音だけが続く。
けれど、その静けさはすぐに破られる。
『今日寒くないすか?』
「まあ」
『もっとなんかあるやろ返し』
「ない」
『ないんかい、w』
ひまじんが小さく笑う。
『相変わらずですねえ』
「お前が喋りすぎなんだよ」
『ええやん別に、静かなの苦手なんですもん』
「知らねえよ」
そんなやり取りが、妙にしっくりくる。
ふと、ひまじんの視線が袋に向く。
『結構買ったな』
「適当だけど」
『適当かいな』
「必要そうなの入れただけ」
『絶対誰か文句言うでそれ』
「言わせとけ」
『雑やな〜ほんま』
笑いながらも、ひまじんは少しだけ袋を覗き込む。
『……あ、これ俺好きなやつやん』
「そうか」
『ナイスやんKUNさん』
「たまたまだ」
『いやでもええやん、ポイント高いで』
「いらねえよその評価」
また、少しだけ沈黙。
でもさっきとは違って、どこか軽い。
『なあ』
ひまじんがぽつりと言う。
『こうやって普通に帰るん、久しぶりちゃいますか?』
「……そうかもな」
『いつもなんかバタバタしてますからね』
「まあな」
『たまにはええな、こういうの』
雨の音に紛れながら、その言葉は静かに落ちた。
「…別に」
そう言いながらも、少しだけ歩く速度を落とす。
隣の歩幅に、合わせるように。
『もうすぐやな、』
「ああ」
『帰ったら飯作るんすか?』
「いややらん」
『ですよね』
「誰かがやるだろ、多分」
『他人任せやな』
「まあいいだろ」
『クソやな』
気づけば、シェアハウスの明かりが見えてくる。
雨は相変わらず降り続いているけど、
さっきより少しだけ気にならなくなっていた。
『サンキューな』
ひまじんがふと軽く言う。
「なにが」
『いや、なんとなく』
「意味わかんねえ」
『ええねん』
扉の前で、ひまじんが先に手を伸ばす。
『ほら、入りましょ』
「…ああ」
いつも通りの場所。
いつも通りの空気。
ただそれだけなのに、少しだけいつもより静かで、
温かかった。
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コメント
2件
好きだ〜…!!