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#原因は自分にある。
宇空#🎹,🐈⬛
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#原因は自分にある。
バディ乃杜バディ子
26,254
あの日から、一週間。
かなめとりょうたは、必要な会話しかしなくなっていた。
レッスンでは目が合えば軽くうなずく。
振り付けの確認もする。
けれど、以前のように他愛ない話をすることはなくなっていた。
その距離を、一番最初に耐えられなくなったのはじゅんだった。
「なあ!」
休憩時間、じゅんは二人の前に立った。
「最近どうしたんだよ。」
かなめとりょうたは同時に顔を上げる。
「……別に。」
「何でもない。」
息はぴったりなのに、その言葉だけがどこかぎこちない。
「いやいや、絶対何かあるだろ。」
じゅんは腕を組んだ。
「七人でいるのに、二人だけ空気がおかしい。」
その言葉に、たかとたちも静かに集まってくる。
「無理に話さなくてもいい。」
たかとは落ち着いた声で言った。
「でも、一人で抱え込むのだけはやめよう。」
かなめは目を伏せる。
りょうたも何も言えない。
沈黙だけが流れた。
「今日はここまでにしよ。」
こうさくが空気を和らげるように言う。
誰も責めることはなかった。
ただ、二人のことが心配だった。
⸻
帰り道。
かなめは一人で歩いていた。
(焦りすぎたな。)
(俺が気持ちを伝えたせいで、りょうたを困らせた。)
ポケットの中でスマートフォンを握る。
謝ろうか。
いや、それも違う気がする。
考えれば考えるほど答えは見つからなかった。
⸻
一方、りょうたも家へ向かっていた。
(かなめを避けたいわけじゃない。)
(でも、どう接すればいいんだろう。)
かなめの言葉を思い出す。
『りょうたのことが好き。』
その声は今でも耳に残っていた。
かなめは大切な存在だ。
だからこそ、中途半端な返事はしたくなかった。
自分でも気持ちが整理できないまま向き合えば、かなめをもっと傷つけてしまう気がした。
⸻
その夜。
グループのメッセージには、じゅんから写真が送られてきた。
《今日のオフショット!
七人そろってる写真、やっぱ最高!》
画面には、みんなが笑顔で並ぶ写真。
かなめはその写真を見つめ、小さく笑った。
「……この笑顔、壊したくなかったな。」
同じ頃、りょうたもその写真を見ていた。
「かなめ……。」
画面の中では、かなめがいつものように笑っている。
その笑顔を見ていると胸が締めつけられた。
(俺は、かなめを避けたいわけじゃない。)
(ただ、自分の気持ちが分からないだけなんだ。)
スマートフォンを閉じ、りょうたは天井を見上げる。
「ちゃんと向き合わないとな……。」
そうつぶやいたものの、答えはまだ見つからなかった。
二人は同じ夜空を見上げながら、それぞれ違う場所で眠りにつく。
互いを大切に思う気持ちは変わらない。
だからこそ、一歩を踏み出すのが怖かった。
コメント
1件
うわっ、この距離感の描き方がすごくリアルで切ない……。二人とも相手を思うからこそ一歩踏み出せないもどかしさ、胸にグッときました。グループのみんなが無理に詮索しないで見守ってるところも、大人な関係で良いなって思いました。同じ夜空を見上げてるのに違う場所で眠りにつくラスト、詩的で美しかったです。続きすごく気になります!