テラーノベル
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あの日から、さらに数日が過ぎた。
かなめは以前と変わらず接しようとしていた。
無理に距離を縮めることもなく、りょうたの気持ちを待つことを選んでいた。
その姿が、りょうたにはかえって苦しかった。
(なんでこんなに気になるんだろう。)
レッスン中。
かなめが笑えば、つい目で追ってしまう。
かなめが誰かと話していれば、何を話しているのか気になってしまう。
休憩中、かなめがたかとと楽しそうに笑っているのを見ていると、胸の奥が少しだけざわついた。
(……何なんだ、この気持ち。)
自分でも理由が分からない。
ただ、かなめのことばかり考えてしまう。
⸻
その日の帰り道。
りょうたは一人で歩きながら、小さくため息をついた。
「俺、どうしたんだろう……。」
かなめから告白される前は、こんなことはなかった。
いや、違う。
今思えば、もっと前からだった。
体調を崩したとき、一番最初に思い浮かんだのはかなめだった。
怖くて眠れなかった夜、電話をかけた相手もかなめだった。
ライブで倒れたあと、目を覚まして最初に安心したのも、かなめの顔を見た瞬間だった。
(でも、それって……。)
そこまで考えて、りょうたは首を振る。
「分からない。」
「好きって、何なんだろう。」
⸻
翌日。
レッスンが終わると、たかとがりょうたの隣に座った。
「最近、考え事が多そうだな。」
「顔に出てた?」
「少し。」
たかとは笑う。
「話したくなったら聞くよ。」
りょうたは少し迷ってから口を開いた。
「……もしさ。」
「誰かのことばかり考えちゃうのって、何なんだろう。」
たかとは驚いた表情を見せたが、すぐに穏やかに答えた。
「その人が大切なんじゃないか。」
「大切……。」
「でも、その『大切』にもいろんな形がある。」
「友達としてなのか、家族みたいに思ってるのか、それとも別の気持ちなのか。」
「それは急いで答えを出さなくてもいいと思う。」
りょうたは静かにうなずいた。
「俺、自分でも分からないんだ。」
「だから返事もできない。」
「中途半端な気持ちで答えたら、かなめに失礼な気がして。」
たかとは優しく笑った。
「その気持ち、かなめも分かってくれると思うよ。」
⸻
その夜。
りょうたはベッドに寝転びながら、かなめとの写真を見ていた。
ライブ終わりに撮った一枚。
七人全員が笑っている。
その中でも、自然とかなめの姿に目がいく。
「……また見てる。」
思わず苦笑する。
スマートフォンを閉じても、かなめの笑顔が頭から離れない。
「会いたい。」
ぽつりとこぼれた言葉に、自分で驚いた。
「……え?」
#原因は自分にある。
宇空#🎹,🐈⬛
34
#原因は自分にある。
バディ乃杜バディ子
26,254
胸が少しだけ高鳴る。
でも、その気持ちに名前をつける勇気は、まだなかった。
りょうたは天井を見上げ、小さくつぶやく。
「もう少しだけ……考える時間をくれ。」
答えはまだ見つからない。
それでも、かなめという存在が、自分の中で日に日に大きくなっていることだけは、確かだった。
コメント
1件
りょうたの「会いたい」に自分で驚くところ、めっちゃエモかったです…!😭💕 意識し始めたら止まらなくなるやつ、リアルすぎて胸がギュッとなりました。たかとが「急がなくていい」って優しく受け止めてくれるのも、いい友達だなあってじんわり。まだ名前をつける勇気はないけど、確かにかなめが大きくなってる——その描き方が丁寧で、続きが気になって仕方ないです!!🌸