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天樹
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『双子の名探偵は今日も嗤う』〜謎あるところに闇は生まれる〜2nd season
第4章 『学びの場は謎だらけ?』
〜謎に包まれた失踪事件〜
第5話 守る為に振るうもの
19時――。
立ち入り禁止の部屋
コンコンッ。
『…ナイトヴァイオレット寮。麻里衣です。』
『お入りなさい。』
ギィィ…。
『生徒会長……っ。私は、貴方を許しません。』
『クスッ。許さない?お茶会始まって早々酷いことを仰るのね。』
『ジュアーのことも、ミルキーのことどうして殺したの…っ。』
『…貴方のせいよ。私に歯向かうから。』
『!』
私はソファから立ち上がる。
『私ね、自分より美しい女は許せないの。私の方が美しいのに。貴方のその綺麗な顔も…私が壊してあげる。あなたの絶望した顔は…とても美しかったわ。ねぇ、貴方の妹の百合菜さんを殺せば、貴方はもっと絶望する?』
『…っ。』
『そういえば、私は百合菜さんにも招待状を渡したのだけど。来てないの?グルーア、ちゃんと渡した?』
『はい。間違いなく。』
『…今はそんなことどうでもいい。彼女達を殺したこと…私は許さない。』
真っ暗な部屋で涙がこぼれ落ちる。
『ふふっ。私の美しさの糧になれるのよ。こうやって。』
私はワイングラスに血を注ぎいれる。
『!?それは…っ。』
『クスクスっ。知ってる?若い女の血は若返りの効果があるの。』
ゴク、ゴクッ。
『あははっ。甘くて、芳しくて…とても美味しい。』
『狂ってる…っ。』
『貴方も一杯いかが?貴方の友達の、ジュアーさんとミルキーさんの甘い血。』
『っ……。 』
ぎゅうっと拳を握り締める。
『私を殺すの?その剣で。ふふ、知ってるのよ、私。貴方に人は殺せない。グルーア。麻里衣さんを殺しなさい。百合菜さんの居場所を吐かせてからね。』
『はい。リリナ様。』
私は剣を抜く。
『…クスッ。』
『何がおかしいの。』
『貴方もまだまだですね。』
『は…?』
『私と、お姉ちゃんの区別もつかないなんて。』
私は眼帯を外す。
『なっ!!赤い、瞳じゃない…じゃあ、麻里衣さんはどこへ――。』
と、その時――。
ガシャーンッ!!
窓ガラスが割れる。
『きゃぁぁぁ!!』
『口を閉じてください!麻里衣!』
『強行突破するならそう言って!』
窓から麻里衣さんと男子生徒が入ってくる。
『いったた…。怪我してないですか?』
『なんとかね…百合菜。流石の演技力よ。』
『お姉ちゃんには劣るよ。』
『ベリアン!』
『はい、主様!』
電気をつけて執事のみんなが現れる。
『生徒会長、いいえ。連続女性殺人鬼フルーワ・リリナ!我々は貴方を許さない!我々の大切な主様を絶望させたこと…後悔してください!』
コツンッ。
私は律さんと背中を合わせる。
『背中は任せてもよろしいかしら。』
『任せてください、麻里衣。』
『百合菜!貴方は執事のみんなのところまで下がりなさい!』
『う、うん!』
私は立ち入り禁止の部屋(教会)を走り回る。
『貴方の相手は私ですよ。生徒会長。』
『…男子生徒の穢れた血なんて興味無いわ。でも、いいわ。遊んであげる。』
私はニコッと微笑む。
『お前の相手は俺だ。リリナ様を侮辱したこと、あの世で後悔しろ。』
『クスッ。後悔するのは貴方よ。』
お互いに剣を抜く。
『『はぁぁぁぁ!!』』
ガキンッ!!
『くっ!』
『私は、貴方も、生徒会長も許さない!罪なき人を殺して、弄んだ挙句、血を抜き死者を穢した!!許さない、絶対に!!』
『ふっ。感謝しろ、リリナ様の美しさの糧になれたんだ。』
『あの主君あってこの従者ありね、本当に。でも、私はこの剣を血で穢さない。妹の百合菜の為に――私はこれからも百合菜を守り続ける。』
『お姉ちゃん…。』
『どうして私の邪魔をするの!私はただ美しくなりたい、美しくいたいだけなのに!!』
『…醜いですね。貴方は。』
『は…?』
『これが今のあんたの顔です。』
俺はガラスの割れた破片を持って相手に向けた。
『っ!!』
そこには汚らわしい顔があった。
『いやぁ!!』
『やっぱ人は内面ですね。あの二人のように美しい心を持った人の方がより美しい。』
私はスティレットを掲げて生徒会長の剣を弾いた。
『あっ!』
カランカラン……。
『貴方の負けですね。生徒会長。』
『私の勝ちです。グルーアさん。』
『『っ…!』』
2人を縛り上げ、床に座らせる。
『……麻里衣ここからはお目汚しです。』
『…ルカス。いいの?』
『後のことは、フィンレイ様が何とかしてくれます。』
『そう…。』
『……。』
『『……。』』
ベリアンが私の目を手で塞ぐ。
ハウレスが私の目を手で塞いだ。
『『ベリアン…\ボスキ…』』
『『主様は見てはいけません。\見なくていい。』』
『『貴方のことをこれ以上傷付けたくない。\傷付けなくねぇんだよ。』』
『『……っ。』』
ザシュッ!
肌を切る音と、血飛沫の音があたりに響いた。
数ヶ月後――。
デビルズパレス
『稀代の女性殺人鬼。死亡!!詳しい犯行は明かされず、真実は闇の中。捜査は今も継続中』
ざっくりとした掲載ね。…でも、これでいいの。』
(彼女達の死を周りの人に何も言われたくない。名誉ある死とも言われたくない。彼女達の事は私の心に残り続ける。ずっと。)
『……。』
ポタっ。
紅茶の中に雫が落ちる。
さようなら――私の大好きな友達。
一方その頃――。
事件は世間では人それぞれ少しずつ風化している中、1人だけ、重みを抱えてる人が――。
『……。』
あの時言われた言葉が――今も残ってる。
事件が起こる前、学園で囁かれたこと。
『ねぇ、あれって麻里衣さんの妹だよね?』
『お姉さんと一緒の顔して美人だけど、やっぱり頭脳の方はお姉さんの方が凄いよね。』
『あ……。』
『やっぱりそうだよね。お姉さんの方は剣術も勉学も出来るし。妹さんの方は何が出来るのかな?あははっ。』
分かってる。こんなこと。小学校から言われてきたこと。
『お姉ちゃんのスペア』『お姉ちゃんの身代わり』『お姉ちゃんの引き立て役』
久しぶりに言われるとやっぱり辛い。
『百合菜!おはよう、学校生活慣れた?』
『お姉ちゃん…。』
『その顔は慣れてないみたいね。ふふ、大丈夫よ。何かあれば私にすぐ言ってね。』
私は百合菜の頭を撫でる。
『……。』
お姉ちゃんに頭を撫でられてそう言われる度、私は心が痛んだ。あぁ、私は――
お姉ちゃんにとっていつまでも子供扱いなんだ。きっとお姉ちゃんも私のことを心で馬鹿にしてるんだ。私はお姉ちゃんがいないと何も出来ない馬鹿の子だと思ってるんだ。
そう思い出したら止まらなくて仕方なかった。
今までずっと我慢していたものが……爆発してしまう。
次回の予告を少しだけ――
バシンっ!!
『触らないで……!!』
『ゆ、百合菜――?』
『っ……。』
次回
最終話 姉妹とのお別れ
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