外交官で軍パロです。いじめ表現、嘔吐表現などがあります。苦手な方はご注意ください。また、エセ関西弁が含まれます。○○というのには貴方の名前を入れて読んでください。外交官様の口調などが違う場合もあります。ご注意を。
それでも良い方はどうぞ!
彼はこの国の外交官だ。
アシメントリーの髪型や、深緑の目が美しい。
昔、牧師をしていたとかで、相談に乗るのが得意だ。いつも様々な方々がアドバイスを貰いに相談しに来る。
私は彼の護衛だ。外交先がいつも安全とは限らない。だから私が彼の剣となり盾となる。
つまり肉壁だと私は思っている。
しかし、今の状況はどうだろうか。彼と紅茶を嗜んでいる。花の香りと紅茶、ケーキの香りが混じり、とても落ち着く。相手が彼でなければ。彼のことは尊敬しているが…。
「○○ちゃん、紅茶口に合わない?」
「いえ、そんなことはありません。とても美味しいです。」
紅茶のなかでも選抜されたものだ。甘さが控えめで甘いものとよく合う。これが美味しくないわけがない。
「…じゃあ、ケーキが美味しくない?」
「いえ、上品な味で美味しいです。」
様々なフルーツが使われていて、装飾も綺麗でかわいい。これを嫌う人はいないくらいだ。
「じゃあ、なにが不愉快なん?」
お国言葉だ。これが出るときはかなりご立腹のときだ。不愉快というか、なんというか。
「その…私と貴方の身分は明らかに違います。それなのに、一緒の机に座り、紅茶を嗜むというのは…と思いまして。」
前にも彼と紅茶を嗜んでいたり、買い物を共にした
りなどをしたら、彼に好意を抱いているメイドや執
事たち、隊長、副隊長などに”ご指導”して頂いた。そ
れが彼の耳に入ったそうで、気にかけている。しか
しこれは私の問題だ。自分だけで解決する。
「…そんなこと、気にしないでよ。今の○○ちゃんには、毒見をしてもらってるだけやし。最悪解雇するわ。」
彼はそんなことを気にする。
自分が助けてあげられなかったと言った。
守るのはこちらだというのに。
四時を知らせる鐘の音がなった。
あと半刻後に訓練がある。急がねば。
「鐘がなりましたので、これで失礼します。本日もありがとうございました。」
私はそう言い残し、その場を離れた。
自室に戻り、訓練の身支度をする途中、部屋扉をノックをされた。
「第五軍副隊長のデレルだ。話がある。」
「はい、少々お待ち下さい。」
急いで身支度を整える。
また、”ご指導”だろうか。
嫌だ。
何処から見ていた…?
自衛の体制をとり、地獄の扉を開ける。
「お待たせして申し訳ありませんでした!お話とは一体何でしょうか!」
嘘の笑顔を張り付かせ敬礼をしながら訪問の理由を尋ねる。いや、もう、わかっている。
「また、オスマン外交官様と話したな?あれほど関わるなといったではないか!それもわからんのか!」
ほら、やっぱり。仕事を離れるのはオスマン外交官か総統閣下がやめろといったときだ。
バチンッと音がなり、私の目は右を見ていた。
ビンタか。数日は腫れそうだ。
「なんだその顔は!!」
「扱きが足りんか!!」
腹を殴られる。耐えることができず、床に横たわる。オスマンと食べ、飲んだものが出る。酷く甘い匂いがする。
「ゲホッはいっ!お願いします!」
私はこれしか言えない。逆らえない。
「お前はまだ筋肉がないからな。建物外の周りを30周してこい!」
私用の特別な練習だ。これがきつい。
「はい!勿論です!では、走って参ります!」
くちまわりを適当に拭う。部屋を出る。後ろからは嘲笑の花束を向けられる。副隊長の背に隠れ、笑っているのだ。なんとも汚い花だと思う。
口をゆすぎ、外へと向かう途中、書記長と出会った。
「お疲れ様です!書記長様!」
彼は冷たい目で私を見る。
走ったのが不味かったか。
いや、逃げてしまおうと考え実践した矢先、腕を掴まれた。
「わっ!…申し訳ありませんが私はこれから自主練習しようと思うのです。ですのでお仕事の手伝いなどは出来ません。申し訳ありません!」
手を解こうにも解けない。
それでも不細工な敬礼と嘘の笑顔を貼り付ける。
それにしても書類整理だけのはずなのに、こんなにも筋力があっただろうか?
「…その顔で出てくつもりなんか?」
頬のことか。
「これは先程転んでできたものでございます!お目汚しを失礼しました。あとで湿布などを貼っておきます!それでは失礼します。」
はあ、とため息をつく。
どれが不味かった?
「いいや、ちょっとこっち来て。」
「トントン〜?何うちの子口説いてんねん。トントンでも譲れへんぞ。」
オスマンが通りかかった。口は笑っているが目は怒っている。
「口説いてないわ。まあ、お前が来たから任せるわ。」
乱雑に投げられ、オスマンのほうによろめく。
彼は自室へと戻る。
オスマンは私の頬を見る。
「…○○ちゃん、俺の部屋行くで。」
「ですが、副隊長殿からの命令が」
そこまでいい、口を抑える。
「副隊長なんやね。あとでゆっくりとお話しような?○○ちゃん。」
身震いをする。これ程までに冷たい顔をしたことがあっただろうか。
オスマンの部屋まで連れて行かれ、簡易的な治療を受ける。
椅子に私が、オスマンは立って手当をしている。
手当を受けるというのが少々はずかしい。
「なんで○○ちゃんは頼ってくれへんの?助けてって言ってよ。」
私にとって貴方は守る人。そんな人に助けてなどと弱音を吐けるだろうか。
「…。」
外では訓練の成果音が聞こえる。でも動けない。
「…俺は○○ちゃんにとって弱い人なん?」
弱くない。むしろ強すぎる。
「…弱くないです。」
「じゃあ、なおさら」
カッとなる
「貴方にはわかりませんか。自分だけの問題を他の誰かに片方肩代わりしてもらう恥ずかしさを。」
わからないで。こんな醜い感情。
「わかる。」
「わかりません!」
「○○ちゃん、俺の護衛してんのは誰や?」
急な質問に戸惑う。
「…私です。」
「そうやな。俺も完璧やない。いっつもな、外交に行くとき俺は弱いんやなって思う。情けないって。でも、○○ちゃんが護衛してくれるから、安心して任せられる。」
目に涙が溜まる。泣くな、なくな。たえろ。
「…。」
「俺は○○ちゃんに護衛を任せてるから、弱いっていう問題を背負ってくれるから、いつも通り外交できる。」
唇を噛む。それ以上やさしいことばをかけないで。
「なあ、○○ちゃん、助けてって、言って?」
「そしたら、片方背負ったる。俺に出来ることならなんでもする。だから信用して。」
オスマンの手が私の頬を包み、目を合わせる。
なみだがあふれる。
「…たすっ、たすけてくださっ、い。」
「○○ちゃん〜。次のお茶会はさ、ちょっとしたゲームするめう〜。」
私を虐めていたあの花々は跡形もなく散っていった。彼や、書記長が手を回してくれたそうだ。他にも、証言してくれた人がいたため、彼らは解雇となったそうだ。
「○○ちゃ〜ん?返事はー?」
「はい、わかりました。」
今日も私達は手を差し出し合う。
コメント
2件
皆さんはいじめられる系がお好きなの...?
いいね40ありがとうございます!