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某楽曲テーマで書いてみました! 聴いてなくても楽しめるお話に仕上げたつもりですが、読後に歌詞を眺めていただけると二度美味しいはずです。よろしければ🫧
恋人関係の3人です。
mtk side
知り合って十数年、付き合い始めてから数ヶ月。友達とか仲間として過ごした時間があまりにも長すぎて、せっかく結ばれたのに僕らの関係はこれまでと何も変わらない。そんな時に切り込んでくれるのはいつも若井で、次の日仕事が朝早くない時は僕とか涼ちゃんの家に泊まりに来てくれるようになった。流石やっぱりモテてきた男は違うんだよな。…まあ、そんな気遣いも無下にして僕は仕事をしてしまっている訳なんだけど。
「若井〜涼ちゃん〜!」
制作部屋から二人を呼びつける。もう結構遅い時間だけど、どうしたー?ってすぐに来てくれた。
「前言ってたあれ、天才てれびくんの曲。できたから聞いて」
渡したイヤホンを片耳ずつつけて聴く二人をじっと見つめる。僕がつくった曲をこうやって聴いてくれている時間がたまらなく好きだ。目を瞑りながら浸ってくれる若井は昔からずっと変わらない。…って涼ちゃん泣いてる、?
どうしたのって聞くのは野暮かな。
「ねー元貴これやばい…すごく温かくて番組の雰囲気にぴったりだよ!!!」
「ね」
どストレートに沢山褒めてくれる涼ちゃんと全てを言葉にせずとも僕の全部を肯定してくれる若井。二人がいてくれるから僕はありのままの僕でいられる。
安心したらなんか眠くなってきた。ふあっとあくびを噛み殺す。
「元貴眠い?お風呂入ってきちゃいな」
「ん、はい」
若井目敏い…
wki side
未だ涙を流す涼ちゃんの背中にぽんと手を置く。
「大丈夫?」
「うん。…なんかさ、元貴が何を思ってこの歌詞を書いた分からないけど、…元貴の歌だなって。」
そうなんだよね…
曲調や歌詞から小学生や中学生のテレビ戦士の子たちが歌うってことを前提に書き下ろしてるのは明らかだ。だけど多分それだけじゃなくて。
「大丈夫やれるから、か…」
「そこね。まぁそう言うなら僕たちには見守ることしかできないよね。」
「俺的にはもっと頼ってほしいんだけどなあー」
出会った中学の頃から何も変わらない。強い信念があって、それを達成するためならば多少の無理は厭わない。それが元貴の凄さだと理解はしているけれど心配は心配だ。
「若井も頑張りすぎないでよ」
「え?」
「…元貴は言わずもがなだけど、若井もなかなかだからね。休める時休んでね?」
やっぱり涼ちゃんにはバレちゃうんだね。だけど大丈夫だよ。元貴も涼ちゃんも隣にいる。二人がいてくれるだけで俺はどれだけでも頑張れるんだから。
「俺は大丈夫」
「それならいいけど。いつでも頼ってね?」
「じゃあさ、」
fjsw side
「じゃあさ、…ハグして」
何だそんな簡単なことでいいのか。
昔から若井は元貴の前では強がっているような気がしていた。思えば思うほど頑張って着丈に振舞ってるんだろうなって場面に何度も遭遇した。だからこそ元貴は安心しきって甘えられるんだろうけど。
僕の前では完璧じゃなくてもいいんだよ。
腕を広げて待ってみると若井は一瞬驚いたような顔をして僕の胸に収まる。
「悔しいけどさ…涼ちゃんってやっぱり歳上なんだよね。」
「悔しいってなに?笑」
「そうだぞーもっと敬ってくれてもいいんだよ」
ふふ、僕も思ってるよ。いつもはめちゃくちゃ頼りになる二人だけど、たまにとびっきり可愛くみえる。今だって頭をぐりぐりと押し付けてくる若井が愛おしくて仕方がなくて撫でてやる。
「涼ちゃんすき」
「僕もだよ」
あ、元貴が戻ってきた。
「ねー何いちゃいちゃしてるの?」
その言葉にぱっと離れていきそうになる若井。僕は腕で制止する。
「元貴もおいで」
「うん。若井ばっかずるい」
「てか僕もう眠いからさ、一緒にねよ?」
3人でああでもないこうでもないと言いながら歯磨きやら何やら寝る準備を終わらせた。3人で眠るには明らかに狭いベッドに横になる。まあそんなことが気にならないくらい幸せが溢れてる。
「元貴、眠れそう?」
「うん。涼ちゃん、若井来てくれてありがとね。結局ずっと仕事しててごめん」
「俺らのことは気にしなくていいよ。元貴が一番大事。」
「うんうん、元貴がめちゃくちゃ頑張ってくれてるの知ってるから。せめて僕たちは全力でサポートさせてよ。」
元貴はありがとう…って呟いてそのまま夢へと落ちていった。
「おやすみ。僕たちはちゃんと見てるよ」
褒めてね。伸ばしてね。
せめて抱きしめてね
僕は頑張ったんだ
今日はね。
どこまで行けるかはわからないけどね
見ててね。見ててね。
大丈夫やれるから。