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コメント
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寺島あおいです🌷 第49話、読ませていただきました。 旅立ちの静かな空気感と、ロルフさんの心の重さがにじんでいて、じんわり胸にきました。あの「僕は役目を果たせなかった」という台詞がすごく刺さって……。でも、馬を撫でる仕草や「側にいたい」という一行に、彼の優しさがにじんでいて、そのギャップにぐっと来ました。ジェイミー様からのビタリの話も気になります…! こはるさんの丁寧な描き方、いつも応援しています✨
第48話
それから、一ヶ月後。起きてから四ヶ月。
元のようには戻らない。勿論、時間も、命も。
それに加えて、人の記憶も、家族だって……
今日は、アニカが町々へ報告するのに旅立つ日。アニカの体力に合わせて、二週間で戻ってくる予定になっている。
荷物はそろえられていた。というか、この十五年の税金とかの国の仕組みはなんとか、民政だけで成り立ってた。揉め事は、里長や、街の中で偉い人が集まって決めたり、手紙や同じ数の兵を出し合ったりして解決できたらしい。
それで、兵士や管理をする侍女たちの給料が賄われて、騎士団や、お馴染みの侍女も残っていたわけだったらしい。
それで今日は、僕を含めて、五人の護衛が来る話だった。馭者はいなくて、他の護衛が代わりをやるみたいな話も聞いた気がする……
口頭だから分からないんだよ! もう……紙に書いてほしい……
結局、馬車では無く、馬だった。それに、騎士は僕の他に二人だったし……
情報、まわらなさすぎ。
僕が心の中でため息を殺している隣でアニカが白い馬を見つめていた。
「え……初めて乗りました……」
そう言って馬に跨がって手綱を強く握っている。
「この馬は、姫様の愛馬の孫と聞きました。このような、白い毛並みの愛馬がいたのなら、乗った事はあるはずです」
僕はそう言って、自分の愛馬に跨った。この馬も当たりで、速く走れるし、張飛も高い。体力も保ってくれるし、人懐っこいから可愛い。
「そうなのですね……ロルフさんって、何でもできて凄いです」
「……僕は、役目を果たせなかった人間ですから、そんな言葉は似合いません」
僕は首を横に振って馬の鬣を撫でた。サラサラでちゃんと手入れが行き届いている。
馬にも僕の気持ちを読み取ったのか、プルプルと頭を横に揺らした。
その日の夕方。
近くの村、二、三個を巡って次はセルフに着く。
今日はセルフの宿に泊まるらしい。多分、手紙は出してないだろうから、突撃訪問だろう。
ニコラさんは元気にしてるかな? キャサリン様も、ジェイミー様も、元気かな?
「まぁ、ここが大きい街ですか」
「えぇ、上から数えて五本指に入るくらいの大きさですよ」
「ア、アニカ姫! それに、ロルフまで……あ、すみません。とりあえず中へ」
そう言ってでてきたのは、ニコラさんだった。
「ありがとうございます」
中に案内されると、いつものように二人は座っていた。
でも、訳アリだと、僕が先に言ってあるからあまりいい表情にはできないのだろう。顔が強張っている。
とりあえず、僕は後ろで突っ立っていた。
変な事を言わないように、監視っていうのもあるけど……自分勝手過ぎるけど、側にいたい。
アニカがジェイミー様と話している間は自分反省会をしていた。
「……そうか。姫様は疲れているだろう。すまないが、ロルフ。話がある」
……一応、お願いしたもんね。勇者とは呼ばないでくださいって。
うん。それに、これは、目に見えてたな。
事情聴取されるのは、きっと僕の方……ちょっと大変かもな……
僕が目線を合わせるとジェイミー様は「ちゃんと休んでいるのか? お前が倒れたら誰が姫様を護れるんだ? ルミナの長が倒れたという話も耳にしている」
「え? ビタリが! ……失礼しました。ちゃんと、有給を取らせてもらっています。体調管理は万全です」
いやいや……まさか、ビタリが……いや、僕も言えたようなもんじゃない、けどよ。
まぁ、何か思い詰めたような感じに育ったもんな……マルコさんも逝ってしまって、小さい頃からの心の傷はまだ、癒されてないだろう。誰にも甘えたような行動は出来ずに、育ったのか……
無理をし過ぎなんだよ……
レーナには『ロルフさんも言えませんよ』って言われそう。でも、そういうレーナも、レーナでなんだよな……
「それなら大丈夫だが、ロルフ。もう、絶対に無茶はするんじゃないぞ。周りがどれだけ心配したことか……ソフィーの方はどうだ?」
「生きてはいますが、行方不明で……」
光は見えるんだよ。見えるのに、見つからない。
確かにあるのに、空振ってしまう。いつまで経っても、見つからない。
「あぁ、そうか。下がってよい。そして休め」
「はい」
それからは他二人が取った宿屋に泊まった。
アニカと僕は別の個室。二人は広い部屋を一つ。
……あの二人、仲良しなんだよね。相棒って事かな?
でも、違う槍の人とも、仲良くしてるんだよな。どちらも、僕の陰口は言わないけど。
僕は、そんな事を頭に張り巡らせながら、部屋の布団の上で寝っ転がった。