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「うん、あのね……。私達、戸籍上は夫婦でも……お互いが納得した契約結婚なの」
えっ……?
「契約……結婚?」
「うん、そう。契約結婚」
琴音は全て、俺に話してくれた。
細かい経緯を説明し終わり、黙っていたことを頭を下げて謝った。
「そんなことがあったんだね。でもさ、俺にはわかるよ、2人の気持ち。龍聖がなぜそうしたのか、琴音がなぜそれを受け入れたか」
「えっ?」
「本当にお前らは昔からそうだよな。素直じゃないというか」
まあ、俺も人のこと言えないけど。
「そうなのかな……」
「うんうん、そうだよ。素直じゃないし、どっちも優し過ぎる。だから、ずーっとお互いに本当のことが言えずにいるんだよ」
「碧……」
「お前が龍聖を好きなことはわかってた。でもさ、俺は龍聖と男同士の固い約束をしてたから。だから、何も言えなかったんだ」
とうとう約束のことを口にしてしまった。
「固い約束?」
「高校の時から、あいつ、『自分が男として1人前になってからじゃないと琴音には何も言えない』って言ってて。俺も男だし、龍聖の気持ちが痛いほどわかってさ……」
どれだけ琴音に言いたくても、龍聖との約束は絶対に破れなかった。でも、俺が言わなくても、あいつなら必ず琴音を幸せにしてくれるって……そう信じてた。
まあ、ちょっと時間はかかってるけど。
恋愛ってやつは、そう簡単にはいかないって……俺自身が1番身に染みてわかってる。
「俺の口からは詳しく言えないけど、今はとにかくあいつを信じてやってほしい。龍聖はちゃんと自分の気持ちにケジメをつけたいと望んでるはずだから」
うわ……
言えないけどって……ほぼ言ってしまった。
龍聖、ごめんな。
でも、あとは自分で琴音を何とかしろよな。
俺の大切な「親友」のこと、頼んだからね。